三菱自再建に自信のゴーン氏は成功シナリオが完成済?すでに5月から問題点の洗い出し着手(1/2)
- 筆者: 国沢 光宏
- カメラマン:三菱自動車/オートックワン編集部
三菱自動車の再建に早くも「なるほど!」人事
ゴーンさんが三菱自動車の会長に就任するというニュースから二週間。何か変化あっただろうか?
当然のことながら全体的な動きは出ておらず。ゴーンさんといえども、ある程度の準備&根回し、送り込む人材の手配などしなければならない。とはいえ早くも「なるほど!」と感じる人事ありました。
COO(最高執行責任者)として送り込まれた日産の副社長だったトレバー・マン氏だ。興味深いことに、マン氏は日産プロパー。巨額の負債を抱えるまでの動きや、ゴーンさんに助けられた状況を全て見ている。そして奇しくも日産にやってきた時のゴーンさんの役職はCOOだった。
何をやるべきなのか、十分認識していることだろう。聞けば今後行わなければならない対応策の確認段階に入っているようだ。当然のことながら日産が三菱自動車の筆頭株主になることを決めた5月の時点から「再建チーム」を立ち上げ、問題点の洗い出し作業に入っていた模様。
すでにいくつかの対応策を練り込んでおり、そいつをどうやって実行していくかというプログラムのチェックをしている、ということである。スムースに根回しや確認作業が進めば「ゴーン流経営再建策」である「リバイバルプラン」と「コミットメント」を年内にも発表するだろう。
目標を設定時の日本人は世界一の能力発揮
よく「三菱自動車はダイムラー・クライスラーの経営戦略が通用しなかった。今回も無理だろう」と言われる。これ、ゴーンさんを知らない。ダイムラー・クライスラーの場合、ドイツ流の経営方針を三菱自動車に押しつけただけ。「言うことを聞け!」と強要したのだった。
されど三菱自動車社員個々のレベルはダイムラー・クラスラーと比べたって勝るとも劣らない優秀さを持つ。
上から目線で押しつけられても言うことなんか聞かない--という点では日産が全く同じだった。日産も優秀な人材を揃えている。ゴーンさんは何をしたかといえば、目標を設定したのだ。
その目標に対し「自分で考えて実行してください。そして目標を達成するという約束を守れば待遇を考えます」と言った。目標を設定された時の日本人は世界一の能力を発揮する。
結果、ゴーンさんを騙せた部門もあるけれど(国内販売やデザイン)、結果的に日産は完全復活を果たす。
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