中国への工場進出延期、アメリカ工場撤退、自動車生産の今を見る
- 筆者: 国沢 光宏
三菱自動車はアメリカ工場を売却し、レクサスも中国工場の延期を決めたというニュースが流れている。どういった状況なのか?調べてみました。
まず三菱自動車から。好景気の頃、三菱自動車もクライスラーとの合弁事業としてアメリカのイリノイに年間24万台の生産規模を持つ工場を作っている。しかしクライスラーが抜け、三菱自動車もヒット車に恵まれず販売台数を落とした結果、何と昨年は6万4千台しか生産しなかった。
数年前から撤退を検討していたようだけれど、労働組合の強いアメリカでは簡単に撤退などさせてくれない。
一方、24万台規模の工場で6万4千台だと完全に赤字。これが三菱自動車の大きな負担になっていたのである。今回やっと撤退の根回しを終えたということなんだろう。
これで三菱自動車はヨーロッパ、オーストラリア、アメリカの工場を精算。タイなどアジア地域に集中するという戦略に着手出来る。幸い円安が続いているし、タイ工場からヨーロッパやオーストラリアへの輸出も可能。このあたりで仕切り直し、ビジネスを再構築しようということ。
レクサスはどうか?
ご存知の通り、中国市場に完成車を輸出しようとすれば多額の関税を掛けられる。そんなことからベンツもBMWもアウディも中国で生産しているのだけれど、レクサスは全量を日本から輸出していた。
当然ながら割高になり、販売台数だって伸び悩む。そろそろ中国に工場を作り生産を開始しようか、という流れになっていた次第。
しかし数日前から「中国工場進出を数年延ばす」という情報が流れ始めている。なぜか?
最大の理由として挙げられるのは、中国の景気悪化予測らしい。なるほど今年に入って中国の株価も大きな調整に入った。
上海総合指数は6月12日に史上最高額を記録して以後、何度か大きく暴落。中国政府の厳しい指導(投資目的の売買停止処分を行ったりカラ売りは逮捕などの強権を発動してます)を行ったにも関わらず、今やピーク時から30%も落ちている。
大半の市場関係者は「もっと落ちるだろう」と。当然ながら新車の売れ行きだって落ちてしまう。
今からレクサスの工場を作っても厳しい状況になる可能性が大きいことは誰にだって解ること。ただ中国政府からすれば「延期してもいいですよ」とはならない。
メンツの問題も出てくるから。すでに水面下では様々な交渉が行われている思う。
[Text:国沢光宏]
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