マツダ ロードスター RS (RHT)試乗レポート/藤島知子(1/2)

マツダ ロードスター RS (RHT)試乗レポート/藤島知子
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2度目のマイナーチェンジにより、均整が取れた表情に

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2005年に3代目が登場したマツダ ロードスターが、2012年7月に2度目のマイナーチェンジを行った。

ロードスターといえば、FRレイアウトをもつ小型2シーターのライトウエイトスポーツカーとして“人馬一体”の走りを満喫させてくれるモデル。

トヨタ 86やスバルBRZといった国産FRスポーツがデビューした時期に『ロードスターもそろそろフルモデルチェンジか?』と思いきや、最後の熟成をもたらしたのだ。

マイチェン前のモデルのオーナーの一人である私にとって、今回の改良に羨ましいと感じたのは、知的な表情に変貌を遂げたスタイリング。NCがデビューしたてのモデルは深海魚のような目つきが愛嬌満点だったが、最初のマイチェンでは目が吊り上がったコワモテになり、今回の変更ではフロントグリルを後退させて、奥行き感を与えたことで均整が取れた表情になった。低く構えて見せるスタイルもスポーツカーらしい。

今回のマイチェンでは、ロードスター持ち前の軽快感が魅力のソフトトップモデルが『タイトスポーツ』というテーマで改良されたほか、電動開閉式のハードトップをもつRHTは『プレミアムスポーツ』を目指したというが、確かに2つのモデルは異なる雰囲気を手にしていることが分かる。

『ユーザーが主役となってピュアスポーツを満喫してほしい』

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まず、今回試乗したRHT×6MT仕様の『RS』には、NCが発売当初に限定車として発売された3rdジェネレーションリミテッドに用いられたデザインをリニューアルして、軽量化を施した17インチのアルミホイールが追加された。

クロームメッキやシルバーの装飾は内外装ともにRHTは従来のモデルと同様で、インナードアハンドルとアウタードアハンドル、ヘッドランプベゼルには艶やかに輝くクロームメッキの装飾が華を添え、上級モデルからの乗り換えでも違和感なく向き合える質感を備えている。

オプションで選べるレザーシートには明るい色調のブラウン系の新色“タン”が加わって、ハイセンスなインテリアを演出することもできる。

RHTはシートに座ったまま電動で開閉できて防犯性に優れているメリットを考えても、オープンカーをお洒落に快適に乗りこなしたいユーザーや長年連れ添った夫婦が郊外に足を伸ばすなんていうシーンにもぴったりの大人びた雰囲気がある。

このあたりは、ソフトトップとは違ったRHTならではの魅力といえる。

一方で、ソフトトップ仕様は計算された“引き算ルック”に変わっていることにも注目したい。

ヘッドランプベゼルがブラックアウトされて目元を引き締めているのと同時に、ダークガンメタリック塗装を施したホイールを全グレードに標準装備。これまで、メーターを囲うリングはシルバーだったのに対し、グロッシーダークグレーで縁取っているというのもシブい。華美な装飾を施すのとは違ってやり過ぎ感を与えないぶん、クールでハイセンスなキャラクターが光る。

さらに、ソフトトップ仕様に小型メーターフードが採用された。これによって、スポーツタイプのシートを低くレイアウトしてもメーターの庇(ひさし)が目線に掛かりにくいメリットが得られるが、ストイックな走りを追求するソフトトップユーザーに向けて、敢えてこうした装備を用意するあたりに『ユーザーが主役となってピュアスポーツを満喫してほしい』という開発者のメッセージが見え隠れするのもロードスターらしい。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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