日本にない日本車「欧州シビック」(1/3)
- 筆者: 桃田 健史
- カメラマン:桃田健史/本田技研工業株式会社
カッ飛び、シビック!
「NSXコンセプト」のお披露目で湧いた、スイス・ジュネーブショーのホンダブース。
そこに圧倒的な存在感で、ユーザーの心を鷲掴みしていたのは、なんと新型「欧州シビック」だった!
2011年9月にFMC(フルモデルチェンジ)、2012年から欧州各地で発売が開始された新型「欧州シビック」に注目が集まっていた。
斜め前方に向かっているようなカッ飛びアクション、挑戦的なオブジェのような「欧州シビック」。
そう、5ドア車だ。日本でも、先代モデルは「シビック タイプR EURO」として1500台限定発売された、「欧州シビック」。日本ではそんなキワモノ扱いだが、欧州内では多くの走り好き、クルマ好きの若者が愛するコンパクトスポーツカーだ。
ご承知の方も多いと思うが、「欧州シビック」は「シビック」であって「シビック」ではない。2010年で日本発売が終了した4ドアの「シビック」。同車はアメリカを中心に世界各地で、“需要のド真ん中”として人気を博している。
同車のライバルは、「フォルクスワーゲン ゴルフ」「トヨタ カローラ」、韓国の「ヒュンダイ エラントラ」というCセグメント、世界戦略車達だ。
対する「欧州シビック」は、Cセグメントよりひと回り小さい、Bセグメントに属する。そのため、同車のプラットフォームは「シビック」ではなく「フィット」と共通だ。
それを証明するかのように、ジュネーブショーのホンダブース2階のアフターマーケット系展示で、「欧州シビック」を先頭に「CR-Z」と「フィット」が縦に並んでいた。
「欧州シビック」は、フロントマスク中央とフェンダー翼端部をカーボンファイバー調にアレンジしている。サイドステップでガッツリしたイメージ。リアはディフューザー装着のイメージ。前モデルよりワイド&ローとなったフォルムがさらに活きる、大胆なエアロパッケージだ。
インテリアもドアトリム、センターコンソールなど各部に艶消しやカーボン調のデコレーション。専用バケットシートも備えている。
そのドライバーズシートに、ティーンエイジャーが代わる代わる座る。
そして、ステアリングを握り「いいなぁ~、これがボクの愛車になったら・・・」と、含み笑いをしながら「欧州シビック」と、しばしの一体感を味わっていたのだ。
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