BMW 535i 試乗レポート/小沢コージ(1/4)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
実質BMW 「5.5」シリーズといえる出来栄え
メルセデス・ベンツ Eクラスと並ぶ、高級ミディアムセダンのBMW 5シリーズが約6年ぶりにフルモデルチェンジした。
日本にはこの春上陸し、ボディやエンジンなどほぼすべて一新しているわけだが、最大のポイントは“クラス感”の変化かもしれない。BMWセダンはご存じ下から3シリーズ、5シリーズ、7シリーズと存在し、大ざっぱに小・中・大あるわけだが、今回は中と大、つまり5と7が限りなく近くなり、壁が無くなっている。
具体的にはベースとなるプラットフォームを今回から7シリーズと共有化したのと、ボディサイズでいうと740iの全長×全幅×全高が5070×1900×1490mmのところを、535iが4910×1860×1475mmと近くなり、ホイールベースの10cm差のみ死守しているが、あとはすべてで近づいている。
BMW 5シリーズとは名ばかり、実質“BMW 5.5シリーズ”と言っていい出来なのだ。それと今回のトピックスは、エンジンのダウンサイジングだろう。
今回、導入時のユニットは3種類、3リッター直6DOHCの「528i」と、3リッター直6DOHCターボの「535i」、4.4リッターV8DOHCターボの「550i」があるが、注目はやはり2つの3リッター直6。同排気量ながら、別設計でかたや燃費、かたや燃費&パワーに振ったという贅沢なチョイスだ。
しかも両車の間には、価格差が日本円で120万円もあり、日本車ではあり得ない考え方。もはや高級車に排気量信仰は存在しない。時代は刻々と変化しているのだ。
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