BMW M135i 試乗レポート /西川淳(1/2)
- 筆者: 西川 淳
- カメラマン:BMW Japan
Mパフォーマンス・オートモビルズに、初のガソリンエンジン搭載車登場!
通常シリーズに負けず劣らず、BMW M社の攻勢が止まらない。新たなレンジとして、Mパフォーマンス・オートモビルズ(MPA)というシリーズを追加したことからも、その積極姿勢が伺えよう。
Mパフォーマンスとは、Mモデルと通常シリーズのMスポーツパッケージとの間を埋めるレンジである。すでにヨーロッパでは、M550dやX5 M50dといった“ディーゼルのM”という新機軸をスタートさせており、今回のM135iはMPA初のガソリンエンジン搭載車ということになる。
M135iの日本市場における発売と販売価格も発表済みだ。
日本仕様は5ドア/8ATのみで、リーズナブルな価格設定が期待された6MT仕様や筆者がミュンヘンで試乗したマッチョで美しい3ドア仕様の導入こそ見送られたが、クルマそのもののパフォーマンスの高さは、5ドアでもさほど変わらないことだろう。
0→100km/h加速、そして燃費(=CO2排出量)のカタログ数値では、高効率な8ATが6MTの性能を上回っている。3ドアが売れなくなった日本市場向けのモデルとして、8ATの5ドアが選ばれたのは、むしろ合理的な判断であろう。
安く仕立てたホンモノのM
とはいえ“Mモデルではない”というところに、最初は若干の引っ掛かりを感じていた。
“安物のM”ならまだしも、“ちょっと高いMスポ”ならどうしよう、という思いがよぎっていたからだ。結論からいうと、MPAは、いい意味で“安く仕立てたホンモノのM"だった。
ようするに、こういうことだ。Mモデルならエンジンやシャシーなど、全てを専用設計にし新調することで究極のBMWスポーツ性能を目指すわけだが、結果的にそのコストは価格にそのまま跳ね返り、とても高価な買い物になってしまうことは承知の通り。
一方、エアロパーツ+αのセットくらいなら、価格アップはさほどのものじゃない代わりに、性能的にはノーマルとまるで同じであることは、Mスポパッケージでも明らか。
であるならば、その間を狙えばいいじゃないか———。
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