どのメーカーのエコタイヤが一番燃費が良いの?

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どのメーカーのエコタイヤが一番燃費が良いの?

最近テレビCMなどで、低燃費タイヤとか宣伝しているのをよく観ますので、次のタイヤは、安くて燃費の良いタイヤを買いたいなぁと思っています(ガソリン代も上がってきましたし)。

でも、そもそもタイヤを替えたくらいでCMのように燃費が良くなるものなのでしょうか?

また、良くなるとしたら、どこのメーカーのタイヤが一番燃費が良くなるのでしょうか?お奨めはありますか?(ふーちゃんさん)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

最近はタイヤの省燃費技術も猛烈に進歩していて、各社、エコ技術を競っていますね。

タイヤの省燃費技術とは、基本的には転がり抵抗を減らすことです。

ただ、転がり抵抗が鬼のように低いタイヤでも、その分雨でスリップしまくったりしては元も子もないので、その両立を果たすべく、メーカーは気合を入れて、省燃費タイヤを開発しているわけです。

さて、ご質問の「どこのメーカーのタイヤが一番燃費がよくなるのでしょうか?」についてですが、数年前、日本自動車タイヤ協会が、過剰広告防止のために、省燃費タイヤについての基準を作り、転がり抵抗係数(RRC)ごとに5段階に表示するよう定めました。

6.5以下/AAA

6.6~7.7/AA

7.8~9.0/A

9.1~10.5/B

10.6~12.0/C

(低燃費タイヤと呼べるのは、Aより上の場合のみ)

また同時に、ウェットグリップ性能についてもaからdまでの4段階のランクを作り、各タイヤメーカーは、これに則ったタイヤのランク付けを公表しています。つまり、「AAA」のタイヤを選べば、もっとも転がり抵抗が少ない=燃費が良くなる、と考えていいのです。

たとえばブリヂストンだと、エコピアEP100は最高でAAですが、エコピアEP100Sは最高でAAA。サイズによってもランクが違ってくるので、注意が必要です。

とにかく、タイヤの転がり抵抗&ウエットグリップ性能は、基本的にはこの表示を見ればそれで大丈夫です。

では、省燃費タイヤはどれくらい燃費がよくなるのでしょう。

省燃費タイヤの転がり抵抗は、通常のタイヤに比べると、25~40%くらい抑えられています。じゃ燃費も25~40%良くなるのかと思ったら大間違い。

タイヤの転がり抵抗は、クルマの走行抵抗のごく一部なので、そんなに良くはなりません。あくまで目安ですが、タイヤの転がり抵抗を30%抑えると、燃費はその5分の1、つまり6%くらい向上させるのが限界だと私は考えています。

たとえば省燃費タイヤの老舗であるヨコハマのブルーアース1(AAA)は、6.5%の燃費低減を謳っていますが、これは省燃費タイヤの効果としては、現状、最大に近い数字でしょう。

省燃費タイヤの燃費向上効果は、おおむね5%以内だと考えておけばいいと思います。これは、ヘタすると変化に気づかないかも・・・というレベルです。.

なので、省燃費タイヤは、あくまでタイヤ交換の時期に検討すべきもので、まだ寿命のあるタイヤを捨ててまで交換しても、まったくモトは取れないし、逆にエコじゃありません。

MJブロンディの「ひとりごと」

省燃費タイヤを選ぶ際、注意してほしいのは、乗り心地が悪くなるケースがある、ということです。

知人が愛車のプジョー407のタイヤを省燃費タイヤに替えたところ、劇的に乗り心地が悪くなっていました。プジョー407は、もともと特定のタイヤに合わせこんでサスペンションをセッティングし、極上の乗り心地を得ているため、国産のエコタイヤがまったく合わなかったのです(燃費はかなり良くなったそうですが)。

エコタイヤは、転がり抵抗を抑えるために、タイヤのたわみ量を極力抑えています。そのため、もともと乗り心地優先のタイヤがついていた車種だと、交換によってビックリするくらい乗り心地が悪くなる可能性があります。

基本的には、省燃費ランクが上がるほど、乗り心地が悪くなると覚悟すべきなので、ユーザーとしては思案のしどころですね。

タイヤの省燃費効果はそれほど大きくないので、むやみに省燃費性の強いタイヤを選ぶのは考えものじゃないか、と私は思っています。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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