トヨタが車種別にエンブレムを作っているのはなぜ?

トヨタが車種別にエンブレムを作っているのはなぜ?
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トヨタが車種別にエンブレムを作っているのはなぜ?

TOYOTA車だけ?かもしれないのですが、車に付いているエンブレムが、TOYOTAのモノでは無くて車種固有?ものになっている車があるのですが、あれはどうして車ごとに変えているんでしょうか?

VWやBMWなどは、車種毎にエンブレムが変わっている車は見ない気がします。よろしくお願いします。(lamb)

其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!

それは、日本の自動車産業の歴史と深いかかわりがあります。

戦後の日本がお手本にし、少しでも追いつこうとしたのはアメリカでした。トヨタが純国産初の乗用車・トヨペットクラウンを発売したのは55年。50年代はアメリカの全盛期で、なかんずくゼネラル・モータースの時代でした。

キャデラック CTSスポーツワゴン エンブレムシボレー カマロ エンブレム

GMは、キャデラック、シボレー、ビュイックなど、多くのグループ内ブランドを持ち、クルマにはGMではなく、それぞれのブランドのエンブレムが付けられています。それは、GMがあまりにも巨大であり、ひとつのブランドに収斂させるより、多くのブランドに分けた方がビジネスに有利だったという背景によります。

昨今のGMの破綻で、ポンティアックなど一部のブランドは廃止されますが、この「メーカー内ブランド戦略」とも言うべき形は、今に受け継がれています。トヨタをはじめとする国産メーカーは、それを見習ったのです(完全に同じではないですが)。

メーカーよりも、車種ごとの個性を明確にすべく、それぞれに独自のエンブレムを付けました。かつては多くの国産車が、車種独自のエンブレムを持っていました。

もちろんトヨタもそうでした。クラウン、カローラといった昔からのモデルには、昔から受け継がれている古いエンブレムがあり、今でも尊重されています。

トヨタや日産などが、ヨーロッパ流の「メーカーブランド戦略」に目覚め、メーカーのエンブレムを刷新して前面に押し出し始めたのは、20年ほど前からです。

現在のトヨタの「楕円の中にT」のエンブレムが誕生したのは、その時でした。

それは、アメリカの自動車産業の斜陽とともに、お手本がドイツへと移ったという時代の流れでもあったでしょう。この頃から、車種ごとのエンブレムは徐々に廃止され、逆にメーカーエンブレムは大きく目立つようにして、メーカーとしてのブランド認知度を上げることに注力するようになりました。

トヨタ クラウンアスリート エンブレム

しかし、ひとりトヨタは、車種ごとのエンブレムを廃止しませんでした。

現在もかなり多くの車種が、フロントに独自のエンブレム(リヤはトヨタエンブレム)をつけています。また、ネッツ店取り扱い車は、ネッツ店の「N」エンブレムが多いです。

それらは、クラウンの王冠マークのような伝統あるものを除いて、ほとんど存在感をなくしていますが、律儀で保守的なトヨタは、今後もこの基本形を守っていくのでしょう。ちなみに前後ともトヨタエンブレムなのは、プリウスなど新しめの世界戦略車が多いようです。

MJブロンディの「ひとりごと」

現在、トヨタには57もの車種があり、そのうち何台が独自のエンブレムを持っているのか数えようかなと思いましたが、馬鹿馬鹿しくなってやめてしまいました。正直、あるのかないのかわからない、どうでもいいエンブレムが多くて、時間のムダに思えて来たからです。

トヨタもそのことに気付いて、無駄なエンブレム(しかも国内専用)に時間とコストをかけるのはそろそろやめてもいいのでは、と思いました。

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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