クラウンのサスペンションをエスティマ3.5に移殖したい!
- 筆者: 清水 草一
クラウンのサスペンションをエスティマ3.5に移殖したい!
06年式 エスティマ3500Gを所有しています。今までクラウンでしたので、クッションが悪く、特に後ろがひどく、妻も驚いています。 後ろだけでも、バネをクラウンと変えることは、出来ませんか、よろしくお願いします。(67歳男性のサトウですさん)
其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!
残念ながら、エスティマとクラウンとではバネの形状が異なるため、交換することはできないのです。また、クッション(乗り心地)は、バネだけで決まるわけではありません。
バネはじめ、ショックアブソーバー、サスペンション形式、ボディ剛性、車両重量、あらゆる部分が影響してきます。たとえばボディ剛性。これが低いと、乗り心地は悪くなります。
ボディ剛性は低いということは、ボディがヤワいといことで、ヤワい分乗り心地はよくなりそうですが、実際には逆で悪くなります。ボディがヤワだと、ガタピシ感が出て、この「ガタピシ!」が体に響くのです。
ガッチリ固いボディの方が、乗り心地は良くなります。
文面から察するに、乗り心地の悪さは買った当初からの様子。つまり性能の劣化ではなく、ミニバンそのものが原因だと思われます。なぜミニバンの乗り心地がクラウンなどセダンに及ばないかと言いますと、基本的にミニバンは重心が高いので、あまり深いロール(左右の傾き)を許すことができないのです。
ミニバンは大きく傾くと、ひっくり返ってしまいます。それを防ぐためには、サスペンションをある程度固めざるを得ない。単に上下に動くピッチングならひっくり返ることはないですが、ロールを抑えようとすると、どうしても上下の動きもある程度制約することになるんですね。
原因はそれだけではないですが、とにかくミニバンでセダンと同じ乗り心地を出すのはムリなのです。
対策としては、バネよりもタイヤが有効です。というか、乗り心地をよくするミニバン用のバネは売られていません。しかしタイヤならいろいろ売られています。
あくまで「多少良くなる」程度ですが、タイヤショップで相談して、乗り心地最重視のタイヤに交換してみてはいかがでしょう。
また、シートに低反発クッションを敷くことでも、若干緩和できるかと思います。これはカー用品店で売っています。
MJブロンディの「ひとりごと」
インサイトの乗り心地改善法のご質問の際には、「タイヤの空気圧を1割ほど下げたらどうでしょう」と回答し、かなり効果があったという返信をいただきました。
しかし、インサイトよりはるかに重量のかさむエスティマでは、これはオススメできません。
タイヤは同じ4本、サイズもそれほど差がない。つまりミニバンの場合、タイヤの負担は小型乗用車の2倍近くに達するので、安全上ちょっと問題なのです。
また、車重があるクルマの場合は、タイヤの空気圧を下げると、かえって「ドシン」「バタン」が出ることも考えられます。
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