アクティブセーフティの発達で、交通マナーの悪いドライバーを減らせないの?【教えて!MJブロンディ】

アクティブセーフティの発達で、交通マナーの悪いドライバーを減らせないの?【教えて!MJブロンディ】
イメージ 追突イメージ ボルボ「V40」に備わるセーフティパッケージ装備の作動例 ボルボ「V40」に備わるセーフティパッケージ装備の作動例 画像ギャラリーはこちら
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毎回興味深く拝見しております。

道の流れに合わせて危険予測しながら走っているにもかかわらず、煽ってきたり車間をあまりとらないドライバーが年々増えている気がしており、事故を誘発させられているようで気分が悪いです。

運転の罰則強化を知らないのか、事故が起きないとわからないのか、と悩んでいます。

近年自動で車速制御する機能が発達しているので、これを応用して多くの車に車間不保持を防ぐ機能を標準搭載できないかと思うのですが、清水さんはこのような交通マナーとアクティブセーフティに関して、どうお考えでしょうか。(37/めぐさん)

其の疑問、MJブロンディがお答え致します!

追突イメージ

自分は先の先まで読んで危険を避け、かつムダなガソリンを使わないように走っているのに、それをアオってくるクルマがいる。腹立たしい。その気持ち、よくわかります。

それは、混んだ電車の中で、足を投げ出して座っているバカを見た時に感じる怒りと同じでしょう。「なんとかやめさせられないものか」と考えるのも、無理はないと思います。

が、実に衝撃的なことに、欧米の地下鉄では、混んでいても半分以上の乗客が足を投げ出して座っています。私も最初は「なんじゃこりゃー!」と驚きました。

ボルボ「V40」に備わるセーフティパッケージ装備の作動例

彼らは、大統領をインタビューする時でも足を組みますが(笑)、混んだ電車の中でも、おかまいなしに足を組みます。それが常識なのです。プラス、電車内でもケータイで大声で話まくっています。

運転マナーの常識も異なります。イタリアでは、街中でも常に信号グランプリです。赤信号の先頭に並んだら、必ず隣のクルマと勝負になるのです。後ろのクルマも負けじと加速します。すぐ先が赤信号なのに!

最初は驚愕しましたが、慣れるとこれが面白くてしょうがない。隣のドライバーがおばあちゃんでもフル加速してきます(もちろんMT車)。崖っぷちのブラインドコーナーの突っ込みで、女の子の運転するクルマに負けたこともあります。「死ぬ気か!」と思いました。

2002年ワールドカップの際、来日したイタリア代表チームは、移動用のバスの日本人運転手があまりにもトロいことに業を煮やし、コーチ自ら「俺に運転を代われ!」と迫ったそうです。

何が言いたいかと言いますと、「正義」の基準は国や地方、そして個人個人でそれぞれ異なるので、それをある程度尊重すべきではないか?ということです。

ボルボ「V40」に備わるセーフティパッケージ装備の作動例

イタリア人は信号グランプリをやりますが、信号のない横断歩道に人が待っていると、フルブレーキングしてでも止まります。この常識は日本にはありませんよね?日本でこれをやったら追突されるかもしれません。

もちろんイタリアにもトロいドライバーはいますが、「トロく走るのは禁止!」という法律ができる気配はありません。みんな舌打ちしつつ、やり過ごします。

「ここは日本なんだから、全員穏やかに走れ!」というのは、ある意味強権的ではないでしょうか? 我々も舌打ちしつつやりすごすべきではないでしょうか? もちろん、アオリで事故を誘発するようなことは限度を超えていますが、すべてを自分の尺度で測ってしまうのも間違いだと私は思います。

すでに車間距離不保持で警告音を発したり、危険だと判断してブレーキをかけるクルマも登場しています。これは、限度を超えた運転をメカが規制するという意味で、今後有効でしょう。

MJブロンディの「ひとりごと」

アオってくるドライバーがいたら、「ガイジンかな?」と思うと、腹も立たないのではないでしょうか。

運転というのは社会コミュニケーションであり、そこではある程度の多様性を認めないと、逆に息がつまってしまうと私は思います。

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自動車評論家、清水草一(MJブロンディ)が、みんなの疑問に面白く答えてくれる「教えて!MJブロンディ」。クルマに関するご質問や素朴な疑問などを随時募集しておりますので、皆さまドシドシお寄せ下さい!

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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