横滑り防止装置ってそんなに必要?【教えて!MJブロンディ】
- 筆者: 清水 草一
横滑り防止装置ってそんなに必要?
横滑り防止装置ってそんなに必要なものですか?新車評でよく「ESP(横滑り防止装置)の設定すらない」とか新車をけなす表現を見ますが、そんなに必要なものですか?
自分は運転歴20年以上ですが、雪道含め、ABSすら一度も作動させた事はありません。
ESPが作動すると、例えば雪道の下りで細心の注意でブレーキングしてるのに「あ、ダメだ!」って状況の時に助かるものでしょうか?実際、ESPが無い事を責めてる人たちは普段、ESPをしょっちゅう効かせながら運転してるのか?と疑問に思います。
その車のライフの中で、一度も作動する事が無いような(また、作動しても効果があると言い切れない)装置を義務化したり推奨したりするのは、正しい事なんでしょうか?(食肉市場さん)
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
横滑り装置の義務化が始まりましたね。昨年10月以降の新型車には、装着が義務付けられました(軽自動車は2年遅れ)。
実はワタクシも、横滑り防止装置はそれほど必須とは思っておりませんでした。エアバッグやABSに比べると、重要度は低いんじゃないの?と感じていたのです。
しかしこれは、私の勝手な思い込みだったようです。実際には、横滑り防止装置の装着によって、事故そのものが3割から4割以上減らせるというデータが示されているのです!
事故が3割以上減るというのは、相当大きな効果だと言えるのではないでしょうか。これが全車に装着されれば、まさに事故が3割減るはずなわけで、その必要性を認めないわけに行きません。
横滑り防止装置の効果を感じるのは、日常的にはまず不可能です。おっしゃるように、「あ、ダメだ!」と思った時しか働きません。それで本当に助かるのか?と疑問を持たれるのも当然だと思います。なにしろ私もそうだったのですから!
しかし、事故が3割以上減らせるという、公的機関による科学的分析結果が出ている以上、こういったユーザーの勝手な想像は木端微塵です。データ以上に説得力のあるものはありません。なんせ我々は実験したわけでもないですし!
エアバッグも、一度も作動しないまま廃車になる確率が極めて高い装備ですが、それでもエアバッグは命を守るために必要ですよね。横滑り防止装置に比べると、効果も想像しやすいです。
でも、横滑り装置も、いざという時に命を救ってくれる確率は確実にあり、軽微な接触事故から深刻な正面衝突まで、事故件数そのものを根こそぎ減らせるわけなんです。 また、欧米ではすでに義務化されており、先進国として日本だけが「いらん!」と言い続けるわけにはいかなくなっていることもあるでしょう。
MJブロンディの「ひとりごと」
こういった安全装置は、多くのユーザーが「本当に効くの?」と思うからこそ、強制的に装着を義務化する必要があるのでしょう。でないと、大部分の人が「いらないよ、そんなもの」と思ってしまいますから。
私もそのひとりですが(笑)。
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