サイドブレーキって無くなってしまうの?
- 筆者: 清水 草一
サイドブレーキって無くなってしまうの?
パーキングブレーキですが、最近はサイドブレーキが少なくなり、足踏み式が増えてきました。サイドブレーキは無くなっていくのでしょうか?
足踏み式が増えたのは前列の居住性を気にしてだと思いますが、どうも私は好きになれません。誤って踏みかけてしまったら一度踏み込まないと解除できないというのが、どうにも不安で落ち着かないのです。また、サイドブレーキは引く量によって、かけ具合を調節出来るので、走行時に遊んだり、緊急時の素早い対応にも役立ちます。
また、初心者やペーパードライバーが練習する時は、助手席でレクチャーすることもできます。たとえば、これは通常の使い方ではありませんが、狭い所や駐車する時など、サイドブレーキを助手席者が握っていれば、運転者の万が一の誤操作を防ぐことができます(実際、バック駐車時にブレーキとアクセルの踏み間違えによる隣の車への追突を回避できました)。
こんなに実用的なサイドブレーキをメーカーはどう考えているのでしょうか?(yoshiさん)
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
いわゆるサイドのレバーを引いてかけるタイプのパーキングブレーキは、なくなるわけではないですが、減っていくのは間違いないでしょう。
足踏み式が増えたのは、yoshiさんがおっしゃるように、センターのサイドブレーキをなくして、居住性を向上させたり、ウォークスルーを可能にするためです。こういったクルマを購入するユーザーの大部分は、サイドブレーキを使ってドリフトを楽しむといったことは考えたこともなく、何の抵抗も抱いていません。
緊急時に助手席からブレーキをかけられる点については、私も家内が免許取り立ての頃、心の支え(笑)にしたことがあり(実際に使うことはなかったですが)、あると心強いですが、そのために「サイドブレーキじゃないと絶対困る!」と考えるユーザーもまた、少数なのが現実です。
確かにセンター部にサイドブレーキがあった方がいい点もあります。しかし、その利点と、ウォークスルーなどの利便性をはかりにかけた場合、利便性に軍配を上げるメーカーの方が多いわけでして、ユーザーもそれを支持しているのが現実です。
足踏み式パーキングブレーキは、確かに一度踏み込んでしまうと再度踏み込まないと解除できませんね。間違えてパーキングブレーキを踏んでしまったらどうしよう!なんて思ったりしますが、実際のところ、そういうトラブルはほとんどないようです。
私もつい最近まで3年間、足踏み式パーキングブレーキのクルマに乗っていましたが、踏み間違えそうになるようなことは一切ありませんでした。足踏み式パーキングブレーキのペダルは、解除時はかなり高い位置にあるので、意識せずに間違えて踏むのは非常に難しい。しかも、足踏み式パーキングブレーキ装着車は、ほとんどすべてAT車です。つまり左足でペダルを踏むことはまずありません。
中には「常時左足ブレーキを使っている」という方もいるでしょうが、それにしても、あの高い位置にある足踏み式パーキングブレーキを間違えて踏み込むというのは、慌てている時ほど難しくなると私は思います。
今、勢力を広げているのがこのブレーキ!
足踏み式と並んで、現在勢力を広げているのが、ボタンを押して操作する電気式パーキングブレーキです。現在の私の愛車の1台であるシトロエンC5はこのタイプでして、上級車を中心に採用される例が多くなっていますね。
C5の場合、ボタンを操作してから実際にブレーキがかかるまで1秒弱ほどかかり、そのレスポンスに少しイライラすることがありますが、それもまた慣れてしまえば問題なし。電気式パーキングブレーキの多くは、走行中にボダンを長く押し続けると、タイヤがロックしない範囲でブレーキをかけられるという機能があり、何かの原因で主ブレーキがイカレた際に、緊急用ブレーキとして使うこともできます。
ただその場合、スイッチが操作しやすい場所にないとツライ。一番操作しやすいのは、やはり従来のサイドブレーキの位置、つまりセンターコンソール部だと私は思います。反対側のダッシュボード部にスイッチがある車種も多いのですが、目線を大きくはずして確認しないと押しずらいですし、シートから体を浮かせないとボタンに手が届きずらかったりもします。
しかしまあ、これもまたスイッチがセンターにあったらウォークスルーはできないわけで、なかなか難しいですね。
MJブロンディの「ひとりごと」
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