フォルクスワーゲン Eos 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 河村 康彦
- カメラマン:フォルクスワーゲン グループ ジャパン
フォルクスワーゲンにおけるまったく新しい位置づけのカブリオレモデル
日本でフォルクスワーゲンというと、やはりニュービートルやゴルフが代名詞のようになっているが、世界に目を向けると実はカブリオレシリーズも累計100万台を超える販売実績を誇っていたりするのである。ビートル、カルマンギア、ゴルフ、ニュービートル…そして、2006年5月に欧州からEosが発売された。私がいちばん最初に見たのは、ジュネーブモーターショーだったが、新しいカブリオレモデルが出ることにワクワクしていたのは言うまでもない。
しかし残念ことに、Eosの発売によって、これまでモデル変更ごとに順調にラインアップされてきたゴルフカブリオレが姿を消すことになった。つまり、いわゆるゴルフVのカブリオレモデルは存在しないことになる。
これまでのゴルフカブリオレのカテゴリーは、ニュービートルカブリオレに譲り、ゴルフベースとはいえ、ひと回りおおきなEosがそれをカバーすることになったのだ。つまり、EosはCセグメントに属するゴルフベースのクルマなのである。しかし、大きさや質感、そして価格を考えるとDセグメントとなるパサートとの中間くらいだと思ったほうがいい。つまりゴルフより上、パサートより下のCDセグメントというのが適切な位置づけになるのだ。
さて、Eosがどんなクルマなのか。メチャクチャ手っ取り早く解説すると、4シーターで、世界初の5分割機構式のスチールルーフを持つ、クーペカブリオレモデルということになる。そして、特徴的なのは、このスチールルーフが、チルト機構付きガラススライディングルーフを持っているということだ。
オープンモデルにいわゆるサンルーフが付いているというのは、聞いただけではかなり不思議だが、BMWミニコンバーチブルのソフトトップが、途中で一旦止まり、サンルーフモードになることを考えると、ハードトップの場合サンルーフが付いていても特段おかしなことはないのだ。
今回のワールド試乗会の会場はなんとギリシャのアッテカで行われた。なぜにギリシャなのかというと、Eosというのは、ギリシャ神話に出てくる曙の女神の名前だから。しかも、白い建物と青いエーゲ海ときたら、オープンモデルには極上のシチュエーションである。現在日本からは直行便がないために、乗り換えなどを含めると軽く15時間以上は掛かる道のりだが、期待に胸弾んでいたのは言うまでもないことだ。
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