フォルクスワーゲン ジェッタハイブリッド 海外試乗レポート/藤島知子(1/2)

  • 筆者: 藤島 知子
  • カメラマン:フォルクスワーゲングループジャパン
フォルクスワーゲン ジェッタハイブリッド 海外試乗レポート/藤島知子
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お国柄も交通環境も日本とは異なるドイツ勢のハイブリッドモデルとは

フォルクスワーゲン ジェッタハイブリッド

地球温暖化防止の取り決めを行った京都議定書を背景に登場したのがハイブリッド専用モデルのプリウスやインサイトだが、その当時と比べると現在市販されているハイブリッドモデルはコンパクトカーから重量級のSUV、さらにミニバンまで多彩なラインナップが展開されている。単に『ハイブリッドカー=低燃費』に特化したモデルではなく、今後はその特性を生かした楽しいクルマ作りに期待が高まっていきそうだ。

海外メーカーについてはメルセデス・ベンツやアウディ、BMW、フォルクスワーゲン、ポルシェなど、ドイツ勢を中心にハイブリッドカーを積極的に市場に投入してきている。パワートレーンの効率化、ダウンサイジングの方向性を打ち出す一方で、お国柄も交通環境も日本とは異なる彼らがハイブリッドカーにどのような方策を打ち出してくるのか気になるところだ。

2013年3月にジュネーヴショーを訪れた際、フォルクスワーゲンがトゥアレグに続いて2作目のハイブリッドモデルとして登場させた『ジェッタ ハイブリッド』に試乗させていただく機会を得た。フォルクスワーゲンというと、直噴エンジン+ターボの組み合わせで高効率化を図る一方で、ハイブリッドモデルにどのような個性をもたらしているのだろうか?

ハイブリッドカーだからといって草食的な環境車のようなイメージかというと…

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ジェッタは世界で93万台以上を売り上げるモデルで、フォルクスワーゲンのラインナップの中では販売台数が2番目に多い車種にあたる。そうした人気モデルに追加されたハイブリッド車だが、開発にあたりベンチマークにした車種はトヨタのプリウスなのだという。

エクステリアを見てみると、ハイブリッドカーだからといって草食的な環境車のようなイメージというわけではない。

外観的に特別だと感じさせる点は“VW”のエンブレム周りにブルーのカラーを施していたり、HYBRIDのバッヂやクロームを上品にあしらった専用のバンパーやリアスポイラー、サイドスカート、ホワイトのLEDヘッドランプを奢っていることだ。

速度無制限のアウトバーンが存在するドイツ出身のモデルらしく、0-100km/hは8.6秒、最高速度は301.8km/h。レスポンスを誇るモデルだけあって、どこかモダンでスポーティなルックスを決め込んでいる。

パフォーマンスを優先させる類のハイブリッドカーではなく、低燃費が期待できるクルマ

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ジェッタには低燃費で人気のディーゼルエンジン(TDI)を搭載するモデルや、スポーティで俊敏性の高いガソリンエンジン(TSI)も取り揃えているが、今回のハイブリッド仕様についても『燃費もパフォーマンスも妥協がないモデル』なのだという。

欧州仕様に搭載されているのは110kW・150馬力を発生する直列4気筒1.4LのTSIエンジンに7速DSGの組み合わせ。リチウムイオンバッテリーと究極の低燃費車『XL1』にも搭載されている20kWの電気モーターが、量産車に初めて搭載された。

注目したいのはフォルクスワーゲン自慢の最新世代のハイテクエンジンとなるEA211型の直噴ターボエンジンが組み合わされていること。

パフォーマンスを優先させる類のハイブリッドカーではなく、ダウンサイジングユニットとモーターを組み合わせることで、低燃費もしっかり期待できるクルマに仕上がっているということだ。

欧州モードの燃費では1Lのガソリンで24.2km程度走れるほか、同等のパワーを発揮するエンジン車と比べて燃料消費量は20%少なく、市街地走行であれば30%の燃費改善が見込まれるという。

ジェッタ ハイブリッドはバッテリー残量に余裕があれば、モーターのみで最高70km/h、約2kmまでゼロエミッションで走行が可能。

試乗は大人4名乗車での走行となったが、電気モーターが生み出すぶ厚いトルクの恩恵でゆとりをもって走ることができ、一般道を流れに乗って走っていても、アクセルペダルを大きく踏み込む必要が無かった。

市街地をモーターのみで走っている時はロードノイズは多少あるものの、エアコン吹出口の風切り音の方が大きく聞こえる程度で、その静粛性はひとクラス上のセダンに乗っている感覚だ。

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藤島 知子
筆者藤島 知子

通称「藤トモ」。スーパー耐久のレースクイーンを経験後、軽自動車レースに参戦したことがきっかけで様々なレースに参戦。レースで培った技術と女性ならではの視点が魅力の女性モータージャーナリスト。記事一覧を見る

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