日本版コンシューマレポート-トヨタ ノア・ヴォクシー ユーザー試乗レビュー-(2/6)
- 筆者: 桃田 健史
イメージでは、当然ながら「ノア」と「ヴォクシー」が混在した。
数値の高い順から(大きさが)ちょうど良い「60.0%」、時代に合っている「43.3%」、家族的「43.3%」、 カッコいい「40.0%」、男向き「40.0%」、強そう「33.3%」、顔がデカイ「26.7%」、上質「23.3%」、庶民派「23.3%」、ワイルド「20.0%」、中性っぽい「20.0%」。
このように、ミニバンとしての実用的な使い勝手を意識したイメージが優先。反町隆志さんの「ヴォクシー=カッコいいパパカー」イメージは「購入動機への後押し」として効いている。
ボディのデザイン評価では、フロント「3.7点」、サイド「3.7点」、リア「3.7点」、ホイール「3.4点」、全体「3.8点」。「ノア・ヴォク」は、ミニバンの王道として「無難さ」が大事なのだ。
それにしても、ファミリー系のイメージが売りの「ノア」に、ここまでしなくても良いのではないか?ユーザーの多くが、そう考えるはずだ。
しかし、トヨタ側の意見はこうだった。
「すでに、G's仕様のノア、ヴォクシーの販売を開始しています。正直なところ、走りうんぬんより、まずは『見た目』でお客さんは食いついてくれています。現状(ノーマル状態)、ノアとヴォクシーの外観の差は小さい。
お客様としては、ホンダのステップワゴン スパーダのような、外観に大きな違いを求める方が増えています。そうした多様なリクエストの受け皿としても、G'sの存在が必要だと思っています」(G's 開発責任者)。
さらに同日、トヨタ関係者の数名と意見交換した結果、「ノア・ヴォク」のエクステリアについて、次のような流れが見えてきた。
(1)ステップワゴンの「大きさを主張した外観」、同スパーダの「外観の差別化」を強く意識している。
(2)フルモデルチェンジが近い「セレナ」が販売好調なのは、外観におけるインパクトの強さ、と認識している。近年中にフルモデルチェンジが予想されるセレナが、さらにインパクトの強い外観で登場。
さらに、同「ハイウェイスター」が、ステップワゴン スパーダのように、ノーマルと外観イメージが大きくなるはず、と予測。
(3)「ノア・ヴォクシー」は2007年に2世代目に移行。外観デザインは初代型のキープコンセプト。モデルライフは通常6年なので、次期型(第三世代)は2013年デビュー。これからあと3年弱「ステップワゴン」(現行車2009年デビュー)、新型「セレナ」(6年サイクルなら2011年登場)と戦わなければならない。
つまり、G's仕様はノア・ヴォクのいわば「マイナーチェンジ」の一部であり、ライバル車たちへの「威嚇(いかく)攻撃」なのだ。
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