トヨタ”次世代タクシー”導入で、2020年東京の風景が激変する(3/3)

トヨタ”次世代タクシー”導入で、2020年東京の風景が激変する
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運転席の快適性や使い勝手も良好

いっぽう、運転席に座るとボンネットが良く見えて、ボディの先端や車幅を把握しやすい。フェンダーミラーが装着されるが、ドライバーとの距離が近いために、鏡面に映る範囲は比較的広い。ウィンドウの下端が低めに抑えられ、側方や後方の視界も良好だ。開発者は「クラウンコンフォートの視界が良いので、悪化しないように配慮した」と言う。

インパネは直線基調のシンプルなデザイン。ATレバーはミニバンのようにインパネに装着されるが、手が届きやすい。デジタルメーターの視認性も良い。

シートは合成皮革で、運転席のサイズは十分。手動式のランバーサポートが備わり、背もたれの腰に当たる部分の張り出しを調節できる。

乗降性を考えたのかサイドサポートの張り出しは少なめだが、違和感はない。少し硬めの座り心地でしっかりと腰を支えて、長時間乗車時の疲労を軽減させる配慮が見られる。

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Toyota Safety Sense Cとサイド・カーテンエアバッグを標準化

タイヤサイズは15インチ(185/65R15)で、展示車に装着されていた銘柄はダンロップ ”SP TX-01”。指定空気圧は200kPaだから一般的な数値だ。

装備では安全面が注目される。

赤外線レーザーに単眼カメラを組み合わせた衝突回避支援パッケージ、”Toyota Safety Sense C”(トヨタセーフティセンスC)と、サイド&カーテンエアバッグを標準装着した。快適装備ではエアコンのナノイー機能や読書灯が備わる。上級グレードでは後席のシートヒーター、天井の空調吹き出し口も採用した。

あえてフェンダーミラーを装着した訳とは

<トヨタ クラウン コンフォート(参考)>

ちなみに普段、都内などでタクシーに乗車した時にドライバーと話をすると、プリウスのタクシーなどは好まれない傾向が強い。確かにプリウスは先進性こそ高いが、空気抵抗の低減を優先し、前後の視界や頭上高などにやや割り切りが感じられるからだ。タクシードライバーはいわば職人だから、一日中乗っている道具となる車両には、従来から使い慣れたものが良いのは当然だろう。古典的だが、視界が良く四角いセダン型が街中では一番扱いやすい。

そのこともあってか、トヨタの次世代タクシーも従来のクラウン コンフォート同様に、大きなフェンダーミラーが装着される。もはやタクシーキャブ以外では見かけない代物だ。

この点を開発者に尋ねると「最初はむしろドライバーの方から抵抗が強い印象を受けたが、実際に見ていただくと理解が得られる」という。

タクシーキャブでは乗客の快適性や利便性も大切だが、安全も考えるとあくまでもドライバー本位であって欲しい。

次世代タクシーの普及で、日本は ”セダンがほとんど走っていない街” に変わっていく

トヨタ次世代タクシーの導入で、日本の都市はどのような表情を見せてくれるのだろうか。

普及が進むと、もはや日本は”セダンがほとんど走っていない街”へ・・・そんな都市、今まで見たことがないように思う。

[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正・TOYOTA]

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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