トヨタ”次世代タクシー”導入で、2020年東京の風景が激変する(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・TOYOTA
シートは合成皮革で、運転席のサイズは十分。手動式のランバーサポートが備わり、背もたれの腰に当たる部分の張り出しを調節できる。
乗降性を考えたのかサイドサポートの張り出しは少なめだが、違和感はない。少し硬めの座り心地でしっかりと腰を支えて、長時間乗車時の疲労を軽減させる配慮が見られる。
あえてフェンダーミラーを装着した訳とは
ちなみに普段、都内などでタクシーに乗車した時にドライバーと話をすると、プリウスのタクシーなどは好まれない傾向が強い。確かにプリウスは先進性こそ高いが、空気抵抗の低減を優先し、前後の視界や頭上高などにやや割り切りが感じられるからだ。タクシードライバーはいわば職人だから、一日中乗っている道具となる車両には、従来から使い慣れたものが良いのは当然だろう。古典的だが、視界が良く四角いセダン型が街中では一番扱いやすい。
そのこともあってか、トヨタの次世代タクシーも従来のクラウン コンフォート同様に、大きなフェンダーミラーが装着される。もはやタクシーキャブ以外では見かけない代物だ。
この点を開発者に尋ねると「最初はむしろドライバーの方から抵抗が強い印象を受けたが、実際に見ていただくと理解が得られる」という。
タクシーキャブでは乗客の快適性や利便性も大切だが、安全も考えるとあくまでもドライバー本位であって欲しい。
次世代タクシーの普及で、日本は ”セダンがほとんど走っていない街” に変わっていく
トヨタ次世代タクシーの導入で、日本の都市はどのような表情を見せてくれるのだろうか。
普及が進むと、もはや日本は”セダンがほとんど走っていない街”へ・・・そんな都市、今まで見たことがないように思う。
[レポート:渡辺陽一郎/Photo:茂呂幸正・TOYOTA]
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