トヨタ 新型 エスクァイアハイブリッド 試乗レポート|マイチェンで”小型高級ミニバン”路線を強化(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
ミニバンの売れ筋ジャンルでTOPに君臨するトヨタの3モデル、エスクァイア/ヴォクシー/ノア
日本では3列のシートを備えたミニバンが売れ筋のジャンルだが、好調に売れる車種は意外に少ない。以前はトヨタ ウィッシュのような全高が1700mmを下まわるミニバンも相応に売れたが、今は背の高いスライドドアを備えた車種でないと販売しにくい。
ミニバンも普及の開始から20年以上を経過して、目新しさで選ぶユーザーがいなくなったからだ。多人数で乗車する、3列目のシートを畳んで自転車を積むなど、明確な用途で選ばれるため、車内の狭いミニバンは売れ行きを下げた。
その意味で注目されるのがトヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイアの3兄弟車だ。中でも今回は2017年7月にマイナーチェンジを受け新型になり、より上質さを増したエスクァイア ハイブリッドを試乗してみた。
エスクァイアのマイナーチェンジ前後を比べると、まずフロントマスクの印象が変わった。ヴォクシーとノアに比べて豪華指向なのは以前と同じだが、フロントグリルの幅が広くなった。グリル内部の形状も変わり、メッキと併せてシルバーの樹脂を使うことで、以前に比べると立体的に見える。
ヘッドランプはバイビーム式LEDに変わり、上側にはLEDクリアランスランプも配置した。このランプ部分は改良前よりも小さく見えるので、グリルのワイド感が一層強調されている。
リアゲートは、リアウィンドウの下側に装着された装飾を変更した。従来は横長に真っ直ぐ配置していたが、新型はL字型で個性的に見せている。アルミホイールのデザインも切削光輝加工になった。
装備についてはUSB端子を充実させて、ハイブリッドには100V/1500Wの充電設備も加えている。
フロントウィンドウとリアゲートのガラスには、高剛性ガラス接着剤が使われ、ボディ剛性を高めた。ショックアブソーバーも、内部に装着されたバルブの剛性を改善して減衰力を見直している。スライドドアにシールを加えて遮音性も向上させた。これらは他のヴォクシーやノアのマイナーチェンジでも同様の改良となる。
さらに新型エスクァイアで注目されるのは、ヴォクシーやノアとは異なる新しいグレードを追加したことだ。
新型エスクァイアに追加されたのは、Giのさらに上級に位置するGiプレミアムパッケージ。シートの生地には、肌触りの良いブランノーブと合成皮革を使う。このほかステアリングヒーター、進行方向を照らすLEDコーナリングランプなど、ほかのグレードやヴォクシー・ノアが採用しない独自の装備を装着する。
Giプレミアムパッケージ追加などを通じて、ヴォクシー/ノア/エスクァイア3兄弟の中での”小型高級ミニバン”というエスクァイアの独自路線をさらに強化した格好となった。
新設定された上級グレード「ハイブリッド Gi プレミアムパッケージ」がおススメな理由
そんな訳で今回のエスクァイアの試乗車も、マイナーチェンジで新設定されたハイブリッド Gi プレミアムパッケージを選択した。
さっそく車内へ入ると、その雰囲気はヴォクシー&ノアよりも上質。アルファードとの中間的な印象だ。シートの生地も柔軟で座り心地も良い。ステッチが入りすぎて見栄えが少し繁雑だが上質感はある。
エスクァイア ハイブリッドの場合、GiとGiプレミアムパッケージの価格差は5万8320円だから、LEDコーナリングランプなどの装備が加わることも考えれば、割安と判断して良いだろう。
居住性は以前と同じだが、5ナンバーサイズのミニバンでは優れた部類に入る。3列目のシートは座面が少し短いが、着座位置が適度でおおむね快適だ。ライバルの日産 セレナの3列目にスライド機能を装着した仕様には少し負けるが、多人数乗車に適する。
ただしハイブリッドの場合、1列目シートの下側に駆動用電池を設置した。そのために2列目に座った乗員の足が、1列目の下に収まりにくい。窮屈に感じることないが、座るにはスライド位置を後方に少し寄せる必要が生じる。そうなると、身長170cmの大人6名が乗車した場合、ノーマルエンジン車なら3列目の膝先空間が握りコブシ2つ分だが、ハイブリッドでは1つ少々に狭まる。
また、新設定された100V/1500Wの電源コンセントは災害時に役立つ便利な機能だが、ユニットが前席の中央に設置される。エスティマハイブリッドの同じ装備に比べると小型化されたが、前席から後席へウォークスルーで移動するのは実質的に不可能だ。不便になった機能もある。
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