【2列目シート比較】大人気ミニバンのトヨタ アルファードは「最上級が一番」ではなかった! オススメは中間グレード

  • 筆者: 青山 尚暉
  • カメラマン:島村栄二/トヨタ自動車/MOTA編集部
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国産ミニバンの最高峰として君臨するトヨタ アルファード。内装の豪華さゆえ高額なモデルでありながら2021年4〜9月期の国産乗用車販売台数で4位につくほどの人気ぶりだ。

またグレードも豊富で2021年11月時点では17モデルが用意され、2列目シートの種類だけでも4つも設定される。

そこで今回はミニバンとしての使い勝手、満足度に大きく影響する特等席の2列目席にスポットを当て、シートサイズ、リラックス度に大きく影響するリクライニング角度、ニースペース、スライド量、かけ心地などを、全シートの実測採寸データをもとに解説、最も快適な2列目シートを持つモデルを紹介したい。

目次[開く][閉じる]
  1. トヨタ アルファードは全17グレードが設定されておりグレード選びが悩ましいモデルだ
  2. シートだけでも4種類! 7人乗りと8人乗りがある
  3. 居住性の高さは停止時だけでなく走行時にチェックすべし!
  4. ベストバイはリラックスキャプテンシートやエグゼクティブパワーシート装備のモデルだ

トヨタ アルファードは全17グレードが設定されておりグレード選びが悩ましいモデルだ

国産ミニバン最高峰のトヨタ アルファードがバカ売れしている。何しろ2021年4〜9月期の全国産乗用車販売台数でトヨタ ヤリス、トヨタ ルーミー、トヨタ カローラに次ぐ第4位。7月には8964台、8月も6483台、9月は7444台という、高級高額な大型ミニバンとは思えない”異常”なまでの人気、売れ行きなのである(ヴェルファイアは別計算)。

しかしながら、実際に買うとなると、ガソリン2種、HVの3種類のパワーユニット、2WD/4WDの駆動方式(ガソリン車のみ。HVはE-FOUR=電気式4WD)、そして4種類もある2列目席の仕様など、グレードは特別仕様1車種を含むガソリンモデルの2WDだけで9モデル、HV、ガソリン車の4WDだけでも特別仕様車を加えると8モデルもあり、2021年11月時点で全17モデルもあるのだから、価格、パワーユニット、2列目席の仕様から自分にぴったりの1台を選ぶのは、なかなか悩ましい行為になるはずだ。

ここでは、アルファードのグレード選び、というより、ミニバンとしての使い勝手、満足度に大きく影響する特等席の2列目席にスポットを当て、シートサイズ、リラックス度に大きく影響するリクライニング角度、ニースペース、スライド量、かけ心地などを、全シートの実測採寸データ(リクライニング角度、シートスライド量はメーカー値)を元に紹介したい。なお、膝周り空間=ニースペースは、身長172cmの筆者のドライビングポジションを基準に、その背後の2列目席を最後端位置にスライドさせ、座った時の最大値の寸法である。あくまで、各シートの比較数値として参考にしていただきたい。

シートだけでも4種類! 7人乗りと8人乗りがある

まずは4種類ある仕様の紹介から。グレード的に言えば、下から8人乗りベンチシート、エスティマにも設定があった7人乗りリラックスキャプテンシート、エグゼクティブパワーシート、そして最上級のエグゼクティブラウンジシートがある。

8人乗りベンチシートはクッション長490mm、クッション幅1400mm、シートバック高600mm。リクライニング角度173度。ニースペース最大460mm。シートスライド量720mm。もちろん、2-3列目席スルー空間はない。

7人乗りリラックスキャプテンシートはクッション長510mm、クッション幅510mm(1脚)、シートバック高620mm。リクライニング角度173度。ニースペース510mm、超ロングスライド時870mm!! シートスライド量はアルファード最大の830mm!! 2-3列目席スルー空間100mm。ただし、超ロングスライドをするには、2列目席左右を横スライドさせ、ピタリとくっつける必要がある。その際は、2席間の距離=スルー空間はなくなる。

ここで、リクライニング角度について補足すると、国際線のビジネスクラスのシートの例では、大手航空会社の場合、機材によって150~175度(ファーストクラスは180度が基本)だから、173度でも、なかなかのリクライニング角度、ゆったり寝られるシートと言うことができる。

7人乗りエグゼクティブパワーシートはクッション長525mm、クッション幅505mm(1脚)、シートバック高645mm。スライド量500mm、リクライニング角度はほぼフラットになる179度。ニースペース最大510mmシートスライド量500mmとなる。2-3列目席スルー空間は145mmである。

最上級の7人乗りエグゼクティブラウンジシートはクッション長510mm、クッション幅520mm(1脚)。スライド量最大460mm、シートバック高620mm。リクライニング角度はこちらもほぼフラットになる179度。ニースペース最大460mm。シートスライド量500mm。ただしベンチシートとともに、豪華で大きいシートだけに2列目席左右間に隙間はなく、2-3列目席スルーはできない。

このシートの2列目席に座るようなVIPは、スルー空間を使って3列目席に移動する必要性などないということだろう。

居住性の高さは停止時だけでなく走行時にチェックすべし!

では、停止時の居心地の良さ、豪華さはどうか。これはもちろん、シート周りの装備もあって、エグゼクティブラウンジ>エグゼクティブパワーシート>リラックスキャプテンシート&ベンチシートの順になる。価格的にも当然だろう。

が、走行中ともなると、様子は変わってくる。意外に、ベンチシート、リラックスキャプテンシートもいいのである。逆に、エグゼクティブラウンジシート、エグゼクティブパワーシートは、シートバックにダンパーを備え、振動を吸収しているものの、ひじ掛け部分の微振動が路面によって気になる人は気になるかもしれない。

というのは、ロングスライド機構に加え、シートの重量、重心の高さ、そしてシートの取り付け部剛性によって、振動面では不利になるからだ。比較的軽く、重心も低いベンチシート、リラックスキャプテンシートはその点、有利に働くのである(1列目席と3列目席はその影響を受けない)。ディーラーですべての2列目席に乗って比較することは困難なはずだが、できれば狙うグレードの2列目席に乗せてもらって(セールス氏の運転で)、座面やシートバック、ひじ掛けの振動に神経をこらし、チェックしてみていただきたい。

ベストバイはリラックスキャプテンシートやエグゼクティブパワーシート装備のモデルだ

そんな各2列目席の仕様、そして価格から、アルファードのベストグレードを考えてみると、どうしても8人乗りでないとダメというなら2列目席はベンチシート以外の選択肢はなくなるが、国産、トヨタ最上級ミニバンの豪華さ、居心地の良さ、贅沢なかけ心地で選ぶなら、まずは予算的に楽な、HVならXグレードの2列目席リラックスキャプテンシート仕様だ。2列目席ニースペースはアルファード中最大で、足元の広さは圧巻。フロアがお座敷になる感覚だ。ただ、シート自体に格別な高級感はない。

室内全体、2列目席にさらなる高級感を求めるなら、HVであればSR “C”パッケージ、G “F”パッケージのエグゼクティブパワーシートだろう。HVでエグゼクティブラウンジシートを備えるエグゼクティブラウンジと、HVのエグゼクティブパワーシートのG “F”パッケージでは、なんと202万6000円もの差があるのだ。

まぁ、エグゼクティブラウンジはT-CONNECT SDナビゲーションとJBLサウンドシステムなどが標準で、G “F”パッケージにそれを付けると+70万円前後になるのだが、それをオプション装備したとしても、130万円は安く、国産、トヨタ最上級ミニバンが買えることになる。

エグゼクティブラウンジシートは確かに最高に豪華でVIP気分を味わえるもののショーファーカーとしての需要が主で、本物のVIPでなければ、あるいはファミリーカーとして使うなら、そこまでは不要と思える。あとは、リラックスキャプテンシートかエグゼクティブパワーシートを、予算に合わせて選べばいい。

【筆者:青山 尚暉】

トヨタ/アルファード
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新車価格:
540万円872万円
中古価格:
30.1万円2,317.3万円

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青山 尚暉
筆者青山 尚暉

学生時代はプロミュージシャン、その後自動車専門誌2誌の編集を経てフリーのモータージャーナリストに。現在は自動車業界だけでなく、愛犬のラブラドールとジャックラッセルとともに、愛犬との快適で安全なクルマ旅を提案するドッグライフプロデューサーとしても活動中。また、クルマのパッケージを寸法で比較するため、独自の計測ツールを開発。1台につき25項目以上を詳密計測。実用性の目安として、記事中で展開している。現在、自動車用純正ペット用アクセサリーの企画、開発も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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