スズキの新型ワゴンRスマイルと軽スライドドア王者、ホンダ N-BOXのガチバトル! 意外にも新型ワゴンRスマイルが有利なワケ

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ガチライバルはダイハツ ムーヴキャンバス! 誰もがそう思うはずの、背が微妙に低い全高1.6m台スライドドア軽として登場したスズキの新型ワゴンRスマイル。

だが、自らホンダ N-BOXを所有する筆者、モータージャーナリストの小沢コージ氏は「案外、国内最多販売を誇る全高1.7m台の人気スライドドア軽“N-BOX”をも食う存在となるかもしれない」と語る。その理由について、2台を比較しながら紹介していこう。

目次[開く][閉じる]
  1. スーパーハイトの高さはメリットばかりではない!
  2. 見た目勝負ではワゴンRスマイルがオシャレで乗りやすさを感じる
  3. ユーティリティ勝負ではN-BOXが優勢だが新型ワゴンRスマイルのクオリティが高い
  4. 同じノンターボで比べるとN-BOXの方が力強い走りを見せる

スーパーハイトの高さはメリットばかりではない!

今回は新型ワゴンRスマイルとN-BOXを比較していこう。

先ほど述べたように、新型ワゴンRスマイルはN-BOXを食う存在になるかもしれない。なぜならN-BOXは背が高すぎるからだ。なに言ってんの? 背が高いからいいんじゃない! などと言うなかれ。違うのだ。N-BOXや同じ全高1.7m台のダイハツ タントやスズキ スペーシアの良さは室内の高さだが、正直ムダっぽい部分もある。

N-BOXは背の高さゆえ、車内にママチャリがすっぽり入るが、実際にN-BOXオーナーでもあるオザワは日常一度もチャリンコなぞ載せたことがない。人にもよるがホントにみんな自転車載せてんの? とも思う。郊外生活だと使うのかもしれないが、ミニバンの3列目シート同様、言うほど高さを使い切れてないのではあるまいか?

新型ワゴンRスマイル程度の高さで十分なんじゃないのか? とも思ったりするのだ。

ってなわけで今回ガチで比べてみた。

見た目勝負ではワゴンRスマイルがオシャレで乗りやすさを感じる

第一のカッコ勝負だが、好き好きもあるがN-BOXは新型ワゴンRスマイルと比べるとやはり商用車っぽい、ってかバスっぽい。そりゃそうだ。ざっくり約10cm車体が高いわけでその分、ガラス面積&高さがかさんでウルトラマイクロバスのようにも見える。

もちろんN-BOXは同じ1.7m台のタントやスペーシアに比べ、ガラス面積とボディ面積のバランスが絶妙で最もカッコよい。だが並べると新型ワゴンRスマイルのほうが乗用車っぽいし、新型ワゴンRスマイルはキャンバスほどファンシーに作ってないので男性でも乗りやすい。

レンズも丸型だが楕円で、高いハイブリッドXだけだが立体感ある厚肉インナーレンズが使ってあり案外大人っぽい。ボディカラーも2トーンでもシックだ。ホントはカスタム仕様を作って欲しいが、個人的にも新型ワゴンRスマイルには乗れると思う。

ユーティリティ勝負ではN-BOXが優勢だが新型ワゴンRスマイルのクオリティが高い

第2のユーティリティ勝負だが、確かにN-BOXはリヤシートが異様に広い。頭上もワンランク高い。小沢が前に座ったシート位置でリヤはヒザ前にコブシは4個入るが新型ワゴンRスマイルはコブシ3個チョイ。だが、新型ワゴンRスマイルでも十分に広いし、兄貴分のスペーシアより微妙にインテリアクオリティも高い気がする。

内装樹脂はツヤ感がいいし、モノ入れは多いし、シート生地なんかもカジュアルでいい感じ。色合いを含め、オシャレではある。

気になるのはリヤシートの乗降性だ。一番引っかかるのがこの部分で、確かに両側スライドドア車になると、ドア開口部の上下にスライドレールが来るので乗り降り時に高さが阻害される。身長176cmの小沢が乗ろうとするとN-BOXより腰を屈める必要があるし、そのまま乗ると頭をぶつける。

だが、それでもスポーツカーなんかより全然乗り降りは楽だし、中から降りる時は頭をぶつけない。個人的にはこれくらいでも毎日使える範囲だと思う。

同じノンターボで比べるとN-BOXの方が力強い走りを見せる

第3の走りだが、同じノンターボで比べるとやはりN-BOXの方が微妙に力強い。同じ660cc直3だが、N-BOXは58馬力&65Nm。かたや新型ワゴンRスマイルは49馬力&40Nm。新型ワゴンRスマイルはマイルドハイブリッド付きを選べば発進は遜色ないが、伸びはN-BOXの方がいい。

乗り心地も厳密にはN-BOXの方が上だ。新型ワゴンRスマイルの方が微妙にコツコツ感が残る。

だが、これは好き好きだが新型ワゴンRスマイルの方がアイポイントが少し低めで、高速で若干ふらつきが少ない気がする。N-BOXも怖くはないが背が高い分、少し遅れというかおっとりとした動きを感じる。安心感では微妙に新型ワゴンRスマイルの方が良いはずだ。

燃費はWLTCだが新型ワゴンRスマイルが最良25.1km/L、N-BOX21.2km/Lと新型ワゴンRスマイルの勝利。

ただ新型ワゴンRスマイルで残念なのは、ちまたで言われるようにターボの設定がないこと、リヤシートのサンシェードがないこと、リヤシートスライドが荷室側から出来ないこと、サーキュレーターの設定がないことだ。やはり独身女性向けの領域から抜け出てない。

かたや最大のポイントは価格。新型ワゴンRスマイルは129万円スタートと安く一番高いFFのハイブリッドXでも159万円。N-BOXは10万円以上高い142万円スタートで、FFノンターボのEXだと165万円とやはり高め。

自転車載せない、車内で子供が立って着替えない、そういう人はデザインさえ気に入ればワゴンRスマイルで十分だと思う。後はメーカーさんがターボを追加し、ワイルドなカスタム仕様を出すのを待つだけ!? なんてね(笑)

【筆者:小沢コージ】

スズキ/ワゴンRスマイル
スズキ ワゴンRスマイルカタログを見る
新車価格:
135.2万円177.1万円
中古価格:
76万円219.9万円

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小沢 コージ
筆者小沢 コージ

横浜市出身。バラエティ自動車ジャーナリスト。自動車メーカー、「NAVI」編集部員を経てフリーに。現在、雑誌やネットに多数連載。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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