スズキ 新型ワゴンRスマイルの登場で軽自動車市場は変わる!? 今後メインとなるのはハイトワゴンのスライドドアモデルたちだ

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スライドドアをもつ軽自動車が当たり前の存在となりつつある。というのも2020年度における軽自動車の販売比率のうち5割以上の台数がスライドドアモデルなのだ。その筆頭がホンダ N-BOXに代表されるスーパーハイトワゴンたちだ。その一方でひとまわり小さなハイトワゴンベースのスライドドアモデルが大盛況となっている。そこで今回は先ごろ発売されたスズキ 新型ワゴンRスマイルの存在により、今後変わりゆく軽自動車市場を予想していこう。おそらくスライドドアを持つハイトワゴンモデルが軽自動車のメインストリートとなりそうだ。

目次[開く][閉じる]
  1. スライドドアを持つハイトワゴンモデルは後発だが、スズキは新ジャンル開拓が得意!
  2. 新型ワゴンRスマイル最大のライバル「ムーヴキャンバス」。ヒットの要因はスライドドアモデルだから
  3. スライドドアのメリットは多数! 扱いやすさがクセになるユーザーも
  4. 「ハイトワゴンでスライドドアが欲しい」というユーザー多数! その一方でデメリットも
  5. 新型ワゴンRスマイル投入でライバル社も参入する可能性大

スライドドアを持つハイトワゴンモデルは後発だが、スズキは新ジャンル開拓が得意!

スズキというメーカーは、「この手があったか!」というモデルを商品化するのが得意なメーカーである。古くは商用車とすることで全国一律47万円という低価格を実現した初代アルトや初代ワゴンRが挙げられる。

それだけに軽自動車業界ではダイハツがスズキに続くことが多かったのだが、先日登場した新型ワゴンRスマイルは、タントに対するパレット&スペーシアのようにムーヴキャンバスの影響を受けたモデルという点で珍しいケースである。

ここではムーヴキャンバスに対するワゴンRスマイルが出たことによる、軽自動車業界への影響を考えてみた。

>>新車がたった47万円!? 常識をブチ壊した初代アルトはエポックメイキングなクルマだった【偉大なクルマ】

新型ワゴンRスマイル最大のライバル「ムーヴキャンバス」。ヒットの要因はスライドドアモデルだから

まず、ムーヴキャンバスが本家のムーヴを凌ぐほど好調に売れている理由を考えてみよう。一番大きいのは、ワーゲンバスのようなかわいらしいスタイルだろう。ギスギスとしたことも多い世の中をホッと和ませてくれるような雰囲気がある。

また2020年に約133万台売れた軽乗用車のうち、ムーヴキャンバス、ホンダN-BOXのようなスーパーハイトワゴンとスズキ エブリィワゴンやダイハツ アトレーの軽1BOXワゴンが該当するスライドドア車が占める率は50%を超えるのだ。

ムーヴキャンバスが売れている理由には「スライドドアだから」ということも小さくないだろう。

>>N-BOX一強時代は終わるのか!? ムーヴキャンバスなどハイトワゴンにスライドドアを持つモデルが新たな人気車となる

スライドドアのメリットは多数! 扱いやすさがクセになるユーザーも

話は変わってスライドドアのメリットを考えてみると、乗降のしやすさ。ドアの開閉で隣のクルマをヒットすることがない、そして狭いところでも乗降できるなどメリットは多く、一度スライドドアのクルマに乗ると「手放せない」という気持ちも分かる。

ムーヴキャンバス登場まではスーパーハイトワゴン程度であった

ただムーヴキャンバスが登場するまで、近年の軽乗用車でスライドドアだったのは前述のスーパーハイトワゴンと1BOXワゴンだけだった。

このため、高齢者の方が後席に乗る、子どもが立ったまま着替えなどができた方がいい、福祉車両に使うといった人なら、全高が高くスライドドアとなるスーパーハイトワゴンと軽1BOXワゴンを選ぶのは正しい。

「ハイトワゴンでスライドドアが欲しい」というユーザー多数! その一方でデメリットも

しかし軽1BOXワゴンは別として、「全高はハイトワゴンくらいでいいけど、スライドドアが欲しいのでスーパーハイトワゴンにしていた」という人だと、スーパーハイトワゴンは全高の高さにより失うものも少なくなかった。具体的には3つ挙げられる。

>>ムーヴよりも売れているムーヴキャンバス! 程よいサイズにスライドドアが大ウケも、新型モデルはカスタムモデルに期待【ディラーの声を聞いてみた】

最大のデメリットは価格の高さにあり

全高が高いことによる走行安定性、コーナリング性能の低下。この2つを補うため、全高の高いクルマはスプリングが固くなるため、乗り心地も悪化傾向。

そして全高が高いため、空気抵抗は大きく、車重も増すため燃費も低下してしまうのだ。

さらにはグレードにもよるが、スーパーハイトワゴンは原価が高いのに加え、各メーカーのフラッグシップとなることもあり、価格は高い。

失うものを感じる人も、タントの登場以来20年近くが経つこともあり増え始めているのもあるのか、ムーヴキャンバスは好調に売れ、スズキもワゴンRスマイルで「スライドドアの軽ハイトワゴン」というまだ新しいジャンルに参入したのだろう。

新型ワゴンRスマイル投入でライバル社も参入する可能性大

ムーヴキャンバスと新型ワゴンRスマイルは、ワゴンRのようなヒンジドアのハイトワゴンとスライドドアを持つスーパーハイトワゴンの中間のような存在だ。

2台が該当する「スライドドアの軽ハイトワゴン」は今後まだまだ需要や必要性も増えそうだ。そして今後のことを考えると軽乗用車業界は、ハスラーやタフトのようなクロスオーバーとEV化くらいしか、新しいジャンルはなさそうだ。

>>三菱 eKワゴン、日産 デイズの電気自動車が2022年初頭に発売! しかも価格は200万円だ

じつはスライドドアのハイトワゴンの元祖は三菱だった

それだけにワゴンRスマイルが成功すれば、ホンダと日産&三菱も「スライドドアのハイトワゴン」に参入する可能性は十分ある。ちなみに三菱 2代目eKワゴンにスライドドアモデルをラインアップしていた。三菱はこのジャンルの真のパイオニアだったのを思うと惜しいことをしたものである。

以上のことを総合すると、軽乗用車業界において新型ワゴンRスマイルの売れ行きと、そろそろフルモデルチェンジがあってもおかしくないムーヴキャンバスの動向には目を配っておいた方が良さそうだ。

【筆者:永田 恵一】

スズキ/ワゴンRスマイル
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135.2万円177.1万円
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89.8万円210万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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