「軽だけじゃない!」新型ソリオがハイブリッドでコンパクトカー競争に挑む[発表会レポート]
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スズキ初のハイブリッド車が登場!
スズキのコンパクトハイトワゴンの「ソリオ/ソリオ バンディット」が5年ぶりのフルモデルチェンジを行った。
新型「ソリオ」には数々の新技術が投入されているのだが、中でも注目なのは「マイルドハイブリッドシステム」が採用されたこと。スズキの乗用車として、はじめて「HYBRID」のバッジがつくことになったのだ。
新プラットフォームを初採用
さらに新型「ソリオ」の新技術として、小型Aセグメント車専用のプラットフォームが新たに開発されたことも特筆すべき点だ。
この新プラットフォームの採用により、新型「ソリオ」は大幅な減量に成功した。プラットフォームの減量に加え、足回りやエンジンに至るまで徹底した軽量化を行った結果、新型ソリオは先代モデルに対して100kg軽くなり、全グレードにおいて車両重量1,000kg未満を達成。燃費や加速性能を向上させた。
スズキは、4つあったプラットフォームを、統合することを進めている。 1つ目は2014年12月に「アルト」に投入した軽自動車用のプラットフォーム。そして、今回「ソリオ」に採用した小型Aセグメント車用のプラットフォームと、もう1つは「スイフト」「SX4 S-CROSS」用のBセグメントのプラットフォームの3つに統合されることになるという。
また、この「ソリオ」のプラットフォームは、現在開発中の国内・海外のAセグメント車に順次採用される予定とのことだ。
今回はエンジンも新開発となり、「スイフト」に搭載されているエンジンをベースに、燃焼改善技術により熱効率を改善して低回転でのトルクを向上させた新型「K12C型デュアルジェットエンジン」を搭載する。
「マイルドハイブリッドシステム」の採用、新開発の小型Aセグメント車専用のプラットフォームの導入、「K12C型デュアルジェットエンジン」を搭載することで、新型「ソリオ」はクラストップの燃費「27.8km/L(JC08モード)」を達成した。
室内空間や安全性能もさらに進化
新型「ソリオ」では、先代モデルでも好評だったコンパクトなボディで広い室内空間をさらに進化させた。
先代モデルより全高を20mm低くしたにもかかわらず、室内高は15mm拡大。 さらにホイールベースを延長したことで室内長も400mm拡大し、前後の座席の距離も55mm広がり、室内空間が広くなった。
また、スライドドアは、開口部が60mm拡大して乗り降りがスムーズに行えるようになったのに加え、一時停止機能をスズキとして初めて追加した。パワースライドドアの作動中に任意の位置でドアを止めることができるというもので、子供が乗り降りする際など、ドアに挟まれる事故につながる危険性を回避できるのだ。
さらに、リアシートのスライド機能と折り畳み機能を荷室側からできるようにシート肩部にレバーを設定したり、豊富な収納スペースを確保するなど、燃費の向上もさることながら、室内空間もより使いやすく向上させた。
より個性的な強めた「バンディット」
新型「ソリオ」のラインナップは先代モデルから引き続き、標準ボディの「ソリオ」と、よりシャープな「ソリオ バンディット」の2つ。
「ソリオ」はメッキグリルの採用などでさらに存在感があるデザインに、「ソリオ バンディット」はスズキ初となる2段構えのLEDヘッドランプは取り入れられスポーティで個性的な印象になった。
インテリアは、どちらもブラックを基調とし、「ソリオ」はシルバー加飾を、「ソリオ バンディット」はピアノブラックを採用することで、それぞれ違った雰囲気に仕上がっている。
安全性能では、「スペーシア」に搭載されたステレオカメラ式の「ディアルカメラブレーキサポート」が採用された。2つのカメラで車両や歩行者を検知し、衝突回避または被害を軽減する さらに、ペダルやシフトの操作ミスによる衝突を回避する誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能なども搭載し、万が一に備え安全面でも万全の体制を整えた。
スズキの小型乗用車の販売台数は年間約8万台で推移しており、「ソリオ」と「スイフト」でその9割を占めている。
ただし、「ワゴンR」や「スペーシア」、「アルト」に代表される軽自動車と、「ソリオ」、「スイフト」などの乗用車モデルの販売比率は9:1、軽自動車の販売台数の方が圧倒的に多いのが現状だ。
中期経営計画で小型車販売を年間10万台まで増やすという目標を掲げているスズキ。10万台の達成に向け、新型「ソリオ」は非常に重要なモデルに位置付けられている。
新体制となり「軽自動車だけじゃないスズキ」に生まれ変わることができるのか、新型「ソリオ」とそれに続く小型車のラインナップ拡充に期待がかかるところだ。
[Photo&レポート:オートックワン編集部]
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