【2022年】現行型スズキ ジムニーのカスタム最新事情を調査! 現在のトレンドと注目のスタイルとは?

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登場から3年半が経った今でも人気の現行型スズキ ジムニー(JB64)とジムニーシエラ(JB74)。ジムニーは代々「カスタマイズを楽しむ車」としてお馴染みだが、その最新事情はどうなっているのか? ジムニーカスタムの老舗「アピオ」に聞いた。

目次[開く][閉じる]
  1. 最新のスズキ ジムニー・カスタムは方向性が多彩
  2. アフターパーツの供給増も多様化を後押し
  3. 注目のスタイルは従来と真逆なのに王道な「ナロー化」
  4. 実体験を頼りに手を加えるのがオススメ
  5. JB64と74という黒船でジムニーカスタムは新たな夜明けを迎える

最新のスズキ ジムニー・カスタムは方向性が多彩

スズキ ジムニーはカスタマイズされた状態の新車=コンプリートカーを購入するユーザーも多いが、購入後に少しずつパーツを交換し、自分好みのスタイルに仕上げる人も少なくない。今、来ているスタイル、流行っているパーツにはどんな特徴があるのか?

ジムニー専門店・アピオのフロントマネージャーである高橋恵太さんが答えてくれた。

「当店のお客様はアピオ・オリジナルのコンプリートカーを購入いただく方が多く、その中でも40mm車高アップしたTS4というモデルが圧倒的人気です。その傾向はコンプリートカー発売開始から現在まで変わっていません。ただカスタマイズとなると、コレが流行っている! と言うことが難しい。なぜなら、現在はカスタマイズのスタイルが“多様化” しているからです」

今までは皆が同じような方向性でカスタマイズをしていたが、最近では自分好みを追求する人が増加。その背景には、ジムニーのユーザー層が変化したことが要因だという。

今カスタムシーンは、女性ユーザーが盛り上げている!?

「ジムニー史上空前のヒットとなったJB64とJB74。そもそも、これまでのジムニー&ジムニーシエラ(ジムニーワイド)とユーザーの母数が全く違います。つまり、ユーザー層が多様化し、必然的にいろいろな趣味嗜好の人が増えたんです。中でも、今まで少なかった女性ユーザーの増加は印象的です」

加えて、女性ユーザーの傾向も、これまでとは異なる。一昔前までは外装にハートをあしらったり、ピンク色にしたりと、ジェンダーバイアスが大きくかかったカスタマイズが多かった。しかし、現在では男性も女性もデザインの好みに大きな違いはない。

ただし、「ジムニーならオフロード仕様」というような定番スタイルに、女性ユーザーはとらわれない。フロントグリルやホイールだけアフターパーツに変える“ぷちカスタム”を楽しむ層が少し多い傾向にある。一方で、マフラーやバケットシートなどハードなパーツを躊躇なく購入する女性ユーザーもいるのだとか。

女性ユーザーで特徴的なのは、多くがInstagramなどSNSを使いこなしていること。SNSでパーツの情報を共有しあい、コミュニティを超えて拡散。カスタマイズを楽しんでいる投稿を見て、アピオを訪れるユーザーも少なくないそうだ。

女性ユーザーの存在に、男性ユーザーも影響を受けている。無骨さを追求するだけでなく、まるで純正かのように自然なカスタマイズも増えてきている。そういった事例もSNSで共有され、新しいスタイルがどんどん生まれているという。

たくさんの情報から取捨選択し、自分だけのカスタマイズを見つける。それが、現在のトレンドなのだ。

アフターパーツの供給増も多様化を後押し

スタイルが多様化してきた要因は、もう一つある。現行型の登場から3年半が経過し、アフターパーツが充実してきたことも大きいという。

「現在はアフターパーツが圧倒的に増えました。例えば、マッドタイヤのような外観と、オールテレーン系タイヤの快適性を備える『YOKOHAMA GEOLANDAR X-AT』も2020年に発売。当社でも現行型デビュー直後に20mmアップのサスペンションキットを出しましたが、その約半年後に40mmアップをリリースしています。選択肢が増えたことで、自分好みのスタイルを追求する余地が生まれたんです」

さらに初期に納車されたユーザーの中には、より強い刺激を求める人が増加。サスペンションなどのカスタマイズを一通りやり切ったため、エンジンの性能を上げる「スープアップ」などに乗り出している。そうした声はアピオにも多く届き、IHI製ハイフローターボやヨシムラとコラボしたマフラーなどを順次追加しているという。

ユーザーが増えたことでカスタマイズの需要が高まり、それに応える形でアフターパーツの供給も増える。新車はもちろん、じわじわと中古車で流通してきていることを踏まえると、この好循環はさらに加速。カスタマイズの多様化は、これからが本番となるだろう。

注目のスタイルは従来と真逆なのに王道な「ナロー化」

さまざまなスタイルが割拠するジムニーのカスタマイズ。その中から、今後くるかもしれないスタイルはどのようなものなのか? 注目すべき事例について、高橋さんに尋ねると「現時点ではこれぞというものはありませんが、あえて言うならナロー化(幅狭化)です」という。

「2021年に当店でJB74型ジムニーシエラのオーバーフェンダーを敢えてナロー化するスタイルを発表したんです。一般的にジムニーシエラのカスタマイズはワイド感、迫力を強調する方向性が主流でした。しかし、その逆を行くナロー化がユーザーに大ウケ。話題を集め、多くのメディアで取り扱われました」

今までの常識を覆したナロー化だが、そのヒットはある意味で必然だった。なぜなら、古参ジムニーマニアからの要望を受けて製作されたスタイルだったからだ。

ナロー化は、実は新時代のオフロード仕様

2018年に登場したJB74は昨今の自動車開発のトレンドを受け、ボディ幅が広くなった。しかし、それでは日本の狭い道、特に林道を走るには不便だ。だからと言って、JB64ではパワー不足と感じることも。その解決策として「幅を少し狭くし、タイヤも軽自動車のジムニーと同じサイズにする」というナロー化に行き着いた。

もともとは林業を営むユーザーの声から誕生したスタイル。一見するとニッチなユーザー向けだが、一般ユーザーに広く受け入れられた。なぜか? それは、やはりジムニー本来の魅力であるオフロード性能を伸ばすスタイルであるからだろう。

その証拠に、いかに多様化してもオフロード仕様は健在。車高を大胆にリフトアップしたり、ランプをたくさん装着したりする、定番スタイルを望むユーザーは後を絶たない。オフロード仕様はジムニーの王道であり、時代による車の変化に合わせたナロー化も1つのジャンルとして今後、定着していくかもしれない。

実体験を頼りに手を加えるのがオススメ

最後に、JB64とJB74でカスタマイズを楽しむコツを高橋さんに聞いてみた。

「最初からコンプリートカーを選ぶのも良いですが、個人的にはノーマルに乗って少しずつカスタマイズしているのが面白いと思います。実際に車に乗って不満なところ、良くしたいところを知っていく。その過程は楽しいですし、自分好みのカスタマイズもしやすい。その時点での、最新パーツを選ぶことができるのも利点でしょう」

まずは自分が気になるところからカスタマイズしていくのがベスト。ただ、どこから手を付けていいか迷っているなら、シフトノブやペダルなど直接触れる部分から交換していくのがオススメ。効果が実感しやすく、満足度が高くなるという。

JB64と74という黒船でジムニーカスタムは新たな夜明けを迎える

伝統とニューウェーブが混在する、現行型ジムニーのカスタマイズシーン。高橋さん曰く「今までは数が少なくトレンドと言えるほどではなかった。それが現行型になって、ようやく大きな流れが生まれました。今後のジムニーは、カスタマイズがより楽しくなると思います」とのこと。

ジムニーカスタム新時代の幕開け。多種多様なユーザーそれぞれ、自分なりの新しいスタイルを生み出しているのだ。

店舗データ

ジムニー専門店 プロショップ アピオ

住所:神奈川県綾瀬市吉岡651

TEL:0467-79-3732

営業時間:10時〜19時

定休日:水曜、祝日、隔週火曜、臨時休業あり

[文=たけだ たけし/写真=たけだ たけし、アピオ/取材協力=アピオ]

スズキ/ジムニー
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新車価格:
165.4万円200.2万円
中古価格:
19.8万円415万円

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たけだ たけし
筆者たけだ たけし

1983 年12 月20 日生まれ。埼玉県出身。地方のタウン情報誌に編集として勤務。編集プ ロダクションでジャンルを問わず本を作ったのち、自動車情報誌へ。現在はフリーランス の編集・ライターとして車や住宅、防災など生活に関わる情報を発信し続けている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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