スズキ アルト エコ 試乗レポート／渡辺陽一郎(4/4)

気になる「ミラ イース」と「アルト エコ」の違いを徹底比較！

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気になるのはミラ イースとの比較だろう。

乗り心地はミラ イースも硬めだが、アルト エコの方が粗く感じる。タイヤはミラ イースが155/65R14で、アルト エコよりもひとまわり大きく、空気圧は0.2kgf低い。アルト エコでは不利な条件が重なった。

走行安定性も同様。ミラ イースはホイールベースが55mm長いこともあり、後輪の接地性はアルト エコよりも高い。挙動を乱しにくく、足まわり関連はミラ イースの勝ちだ。

一方、動力性能はアルト エコが勝る。ミラ イースのエンジンは少し高回転指向で、アルト エコの方が扱いやすい。エンジンノイズ(主に透過音)も抑えられている。アイドリングストップも同様。ミラ イースに限らず、トヨタとダイハツのアイドリングストップは、ゆっくりと減速するとアイドリングストップが作動しない場合がある。また、作動中にブレーキペダルを踏み増しても(戻すのではなく)、負圧の変化を感じて再始動する。ミラ イースでは再始動時のノイズも少々気になる。アルト エコの方が、さまざまな点で違和感が少ない。

シートの座り心地は、前後ともにミラ イースが良好。リアシートの広さでも差が付く。ヘッドレストは装着されないものの、身長170cmの大人4名が乗車した時、リアシートの膝先空間はアルト エコが握りコブシ1つ半、ミラ イースは握りコブシ2つ半だ。前後席のヒップポイント間隔でいえば、アルトは815mm、ミラ イースなら930mmになる。

リアシートの居住性の違いは、アルト エコが荷室を重視したことも影響している。基本モデルの登場がアルトは2009年、ミラ イースが2011年という違いも考慮すべきだ。

走りの違いでいえば、動力性能やエンジンノイズ、アイドリングストップの作動ならアルト エコ、走行安定性と乗り心地ならミラ イースが優れる。

4月以降、アルト エコ適合のエコカー減税が更にお得になる！？

典型的なライバル車とあって、価格はほぼ等しい。電動格納式ドアミラーなどの実用装備を充実させたアルト エコ「S」グレードとミラ イース「X」グレードは、両車ともに99.5万円だ。

この2車を買うなら、2012年4月以降の方が良いかも知れない。新しい減税と補助金が2月に国会で成立すると、減税については現状の75％から100％(免税)に格上げされるからだ。とはいっても1万円弱の違いだが、徹底的に節約するなら待つ手もある。

いずれにせよ、アルト エコを早く欲しいなら1か月程度で納車が可能。4～5か月も待たされる「トヨタ アクア」に比べると納期は短い。そして国会で成立すれば、12月20日に遡って7万円の補助金も交付される。現行の減税でも、補助金を差し引けば、値引きがゼロでも自賠責保険料と翌年度に納める軽自動車税を含めた支払い総額は約97万円。何と車両価格よりも安く入手できるのだ。軽自動車のオトク度に磨きがかかり、売れ行きにも一層の弾みが付くだろう。

宿命のライバル「スズキ アルト エコ」VS「ダイハツ ミラ イース」のバトルは、互いの商品力を高め、ユーザーに大きなメリットを与えてくれる。

参考記事も併せてチェック！

■ダイハツ ミライース 試乗レポート／渡辺陽一郎[2011年9月27日]

■ダイハツ ミラ イース（e：S） 新型車解説[2011年9月20日]

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