電気自動車のスバル ソルテラにはしっかりと「スバルらしいこだわり」が見えた! スバリストが気になったポイントを徹底解説

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電気自動車のスバル ソルテラに「スバルらしさはあるのか」をテーマに、前回は内外装や走りについて触れてきた。今回はスバルらしいトルク配分やX-MODEなど、スバリストとして感じたコアなポイントを紹介する。

目次[開く][閉じる]
  1. トルク配分はこれまでのスバル車と同様に常時全輪駆動となる
  2. スバルのSUVらしいフィーリングをもたらすX-MODEも用意! 悪路もスイスイ走れる
  3. 電気自動車ならではの「Sペダル」は使いこなすには慣れが必要
  4. 気になるのはドライブモードのスイッチ位置の改善とスバル車のエンジン音を擬似的に発生させる装備!

トルク配分はこれまでのスバル車と同様に常時全輪駆動となる

今回試乗したAWDモデルで、筆者がずっと気になっていた部分が前後のトルク配分。これまでのガソリンモデル同様、どのような条件下でも常に四輪にトルクがかかる「常時全輪駆動」となっているそうで、スバルのエンジニアのみなさんも特にこだわって妥協なくやった部分だと聞き、思わずガッツポーツが出てしまいそうに(笑)。

他メーカーのオーナーにはちょっと響かない部分かもしれませんが、スバルファンには、常に4輪にトルクがかかっている安定性や走破性、安心感は「スバルらしさ」という部分でとても重要なのだ。

ちなみに前後のトルク配分制御はBEVならではの緻密な制御としつつも、基本は50:50で従来のスバル車であれば5速MT車に搭載される「ビスカスLSD式AWD」というシステムに近いフィーリングだった。

スバルのSUVらしいフィーリングをもたらすX-MODEも用意! 悪路もスイスイ走れる

現行スバル車のSUVモデルのほとんどに搭載される「2モードX-MODE」が搭載されており、動きやフィーリングはまさにフォレスターやXVのような安定感を発揮。

X-MODEは路面状況に応じて滑りやすい道ではSNOW/DIRTモード、タイヤが埋まってしまう道ではDEEP SNOW/MUDモードの2つのモードを選択するだけで、四輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールし、悪路からのスムーズな脱出を実現する。

新たにソルテラ用に搭載されるグリップコントロールは、下り坂でブレーキを自動的に制御してくれるヒルディセントコントロールのアクセル版といえばわかりやすいだろうか?

滑りやすい路面の上り勾配でも自動的にアクセルや駆動力を制御し、スタックしそうな場所でも、熟練ドライバーのように安定した脱出をサポートしてくれる。

ちなみにX-MODEを搭載するガソリン車は「アクティブトルクスプリット式AWD」というシステムで、基本前輪寄りのトルク配分から前後50:50までリニアに可変するシステムだが、X-MODEを搭載しながらも5MTモデルのようなトルク制御のソルテラは、スバル好きとしては斬新なのだが、これはきっとマニアックすぎるネタかもしれない(笑)。

センターのディスプレイに四輪のトルク配分をリアルタイムに表示。こうしたギミックはこれまでのスバル車ではなかったもの。ステアリングの切れ角や動力の伝達状況、車体の傾斜角などの表示はされるものの、実際に滑りやすい路面などで駆動配分が手に取るように見えるのは嬉しいポイントだ。

電気自動車ならではの「Sペダル」は使いこなすには慣れが必要

グリップコントロールのほかにもソルテラならではの機構といえば「Sペダル」。アクセルペダルのオンオフだけで回生ブレーキを働かせることでほとんどの速度域のスピードコントロールが可能。

電動車ならではの機構だが、ガソリン車ばかりを乗り継いで来た人には、スピードコントロールを完全アクセルオフしながら惰行などを上手に使う人ほどちょっと慣れがいるかもしれない。

しかし慣れてしまえばとても便利な機能で、不要であればON-OFFの切り替えが可能であるというのもポイント。個人的にはAWDモデルに装備される回生ブレーキの強さをパドルで強さを変えられる機能のほうが、ガソリン車のパドルでのギヤチェンジによるエンジンブレーキの扱いに近く、自然に扱えて非常に好印象だった。

乗り心地は全体的に引き締まっている印象で、兄弟車となる新型bZ4Xとはダンパーの減衰力を変えているとのこと。回頭性が良くステアリング操作に対してリニアに反応してくれるフィーリングはスバルらしいポイントのひとつと言える。

この辺りもエンジニアの方々がスバルらしさを演出するためにこだわった部分だそう。実際に今回の試乗コースは完全に積雪路で荒れた部分も多いワインディングでしたが、SUVらしい安定感とスバル車ならではのコーナリングの愉しさを見事に両立しているセッティング。これは早く一般公道でじっくり乗ってみたい! と感じる部分だった。

気になるのはドライブモードのスイッチ位置の改善とスバル車のエンジン音を擬似的に発生させる装備!

最後にちょっとだけ気になるポイントを挙げるとするならば、ドライブモードの切り替えスイッチがちょっと遠いなと感じた部分。スバル車では定番のSIドライブと呼ばれるモード切り替えがほとんどのモデルでステアリングに備わっているため、センターコンソールの左側はちょっぴり遠いかな? と感じる部分だった。

これについてエンジニアの方にお話を伺った所、ステアリングに備わるスイッチがソルテラでは多かったためセンターコンソールに装備したとのこと。

ほかには気になるポイントというか、せっかくのBEVなので、ちょっとした遊び心を入れて欲しかった。

USBやネットワークダウンロードなどを使って、車内でこれまでの水平対向エンジン搭載車のさまざまなエンジン音がスロットル開度に応じて再生されたら、ちょっと楽しいかも!?

新型BRZでもサウンドを電子的に再現する装備があるが、ソルテラではさらに進化させて、今月は初代インプレッサ、来月は2代目フォレスターなど色々な音が楽しめるとBEVならではの新たな楽しみとしてガソリン車からの乗り換えオーナーも受け入れられるのではと感じた。スバルさん! こういう遊び心どうですか?(笑)

全体的な仕上がりとしてはトヨタで製造されるBEVでありながら、しっかりと「スバルらしさ」や「スバルならではのこだわり」がしっかり詰まったモデルとして、非常にオススメできるモデルといえよう。是非スバリストの皆さんも次の愛車の候補に入れてみては?

【筆者:井元 貴幸】

スバル/ソルテラ
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井元 貴幸
筆者井元 貴幸

1973年東京生まれ。幼少期からクルマ好きで中学生の時にテレビのドキュメンタリー番組で見たレガシィ 10万キロ世界速度記録に感動し、以来スバルへ憧れ続け、95年に3台目の愛車として待望の2代目レガシィツーリングワゴンを購入。以来3代目、4代目、5代目と乗り継ぎ、現愛車の初代レヴォーグになるまでスバル一筋。電気通信関係の仕事からまるで畑違いの自動車ライターへ転身。本サイトでも活躍中のマリオ高野氏と同じ歳のスバルオタクコンビとして様々なメディアでコンビを組む。2017年.18年にはスバル公式のモータースポーツ応援プロジェクトリーダーとしてファンからも支持されている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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