スバル 新型レヴォーグ 試乗レポート(D型)|ビッグマイナーチェンジで新アイサイト搭載、走りの質はどう変わった!?(1/2)

スバル 新型レヴォーグ 試乗レポート(D型)|ビッグマイナーチェンジで新アイサイト搭載、走りの質はどう変わった!?
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アイサイト・ツーリングアシスト採用で運転支援機能と安全性能がさらに進化

1990年に新車の国内販売がピークの778万台を達成して以来、クルマの売れ行きは、ほぼ一貫して下降を続けている。2016年は497万台でピーク時の64%だ。クルマの売れない状態が四半世紀も続いている。

この現状を突破する方法のひとつが、安全装備と運転支援機能の進化だろう。交通事故はすべてのドライバーが避けたいと考えているから、安全装備の向上は購買意欲に結び付く。ハンドル/アクセル/ブレーキの操作が支援され、長距離移動を快適にする運転支援機能も、実用性の高いメリットになる。運転の楽しさ、エモーショナルなデザインなどに興味を持たないユーザーも、安全装備と運転支援機能の進化には違った見方をするだろう。できなかったことを可能にする価値は大きい。

スバル車は以前からアイサイトを備え、歩行者や自転車にも対応可能な緊急自動ブレーキと、運転支援機能で高い人気を得てきた。2017年7月3日にはレヴォーグがマイナーチェンジを実施(D型)。アイサイトバージョン3をアイサイト・ツーリングアシストに進化させている。

>>スバル 新型レヴォーグ(2017年7月マイナーチェンジ・D型)の詳細をフォトギャラリーでもチェックする

ステアリング操作を支援するアクティブレーンキープは、従来型では時速65km以上で作動したが、新型はアクセルとブレーキ操作を支援するクルーズコントロールと併せて、停車時から時速120kmまで幅広く対応させた。また夜間走行では歩行者の視認性が向上して、緊急自動ブレーキの精度も高めている。

マイナーチェンジでは走行性能も改善を受けた。フロント&リアサスペンションに改良を施し(STIスポーツ アイサイトを除く)、電動パワーステアリングの操舵感も見直した。外部からの音の侵入を防いで静粛性も向上している。

18インチタイヤ装着車には新しいブレーキパッドを採用して、1.6リッターターボエンジン搭載車のCVT(自動無段変速機)には、2リッターターボと同様のステップ変速制御を組み込んだ。アイサイト・ツーリングアシストだけでなく、走りの進化も注目される。

車両の概要は2017年6月20日に掲載した「アイサイト・ツーリングアシスト/徹底解説」、7月4日に掲載した「スバル新型レヴォーグマイナーチェンジ最新情報」で詳しく述べているため、今回は試乗した印象をお伝えしたい。

スバルの運転支援システム“アイサイト・ツーリングアシスト”とは?アイサイト ver.3との違いを徹底解説[2017/6/20]

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手ごたえを増したステアリング、そして乗り心地も向上

今回試乗することが出来た新型レヴォーグの主なグレードは、1.6リッターターボを搭載する1.6GT-S アイサイト、2リッターターボの2.0GT-S アイサイトであった。共にプロトタイプのため、テストコース内での試乗に留まった。

マイナーチェンジの変更の中でもすべてのグレードに当てはまる点として、ステアリングの手応えがある。

以前からレヴォーグは操舵に対して車両が正確に向きを変えるタイプだったが、新型では切り始めの反応がさらに向上した。小さな舵角から車両が緻密に反応して向きを変えるため、運転感覚が上質になった印象を受ける。

乗り心地も向上した。従来型の乗り心地が特に硬かったわけではないが、新型では路上のデコボコをさらに伝わりにくくした。特にカーブの手前で減速した後にハンドルを切り込んだ時は、車両の荷重が旋回の外側に位置する前輪に加わるため、路面状況が悪いと突き上げるような振動が生じやすい。新型はこのような場面における粗さを抑えた。

ただし乗り心地が良くなると、走行安定性に心配が生じる。下り坂のカーブを曲がる時などは、荷重が前側に大きく移動するので、相対的に後輪の接地性が損なわれやすい。

そこで実際に下りカーブを曲がると、ボディの傾き方が従来型よりも少し拡大した印象を受ける。しかし後輪の接地感が下がる心配はない。ボディが傾く時の挙動変化を緩やかに進行させ、タイヤの接地性を維持することで安定性を保っている。

また従来型に比べると、前後輪のグリップバランスが少し後輪に寄っている。言い換えればカーブを積極的に曲がった時、旋回軌跡を若干拡大させる方向に味付けをして、安定性を保っている。それでも操舵感が正確性を高めたこともあり、動きの鈍い違和感はない。運転する楽しさを損なわず、乗り心地を向上させた。

開発者に尋ねると「フロア(床面)の上下振動と横揺れを抑えたかった」という。「従来型に比べると車高を8~13mm高めて、サスペンションのストローク(足まわりが主に上下方向に動く範囲)を拡大した。バネレート(スプリングの硬さ)を下げて、ショックアブソーバーの減衰力は向上させ、後輪側のスタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)もサイズを見直した」とのことだ。

このほか従来の1.6/2.0GT-S アイサイトでは、前輪側の足まわりに使われるロアアームが鍛造製で、ブッシュはピロボールだったが、新型では一般的なスチール製のラバーブッシュになっている。

要はボディを適度に傾かせて、乗り心地に柔軟性を与えながら、安定性は確保する考え方だ。この影響で車両の曲がり方は従来型に比べると切れの良さが抑えられ、マイルドになったが、車両全体の機能的なバランスは向上した。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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