エコカーの真相/第五回 究極のエコカー・バックヤードビルダー、英タービンカーと日本・タケオカ自動車工芸(3/3)
- 筆者: 桃田 健史
日本でも期待の高まる「バックヤードビルダー」
小型電気自動車の製造メーカーとして、全国各地に「タケオカファン」が大勢いる。
実は、同社の前身は看板制作の工場だった。
同社は、1982年に小型車両の製作を開始。これは、道路運送車両法で「ミニカー」という分野だ。そして1997年には「電動ミニカー」へと進出。以来、日本の電気自動車メーカーの草分け的存在として、テレビ、新聞、雑誌など様々なメディアに取り上げられている。
筆者は先日、富山市中心部から車で15分ほどのタケオカ自動車工芸本社を訪問し、同社の武岡栄一社長と、社長の息子さんで専務の武岡学さんにお目にかかった。
現在、同社の従業員は11人。
年産約100台規模で、「ミリュー」「ミリューR」「T-10」「ルーキー」など様々な「電動ミニカー」を製造している。
事務所の机上には、過去に受けた各種取材時の写真があった。女優・室井滋さんや、ワハハ本舗所属の女優・柴田理恵さんなど、富山県出身の芸能人による来訪取材の様子が紹介されていた。
そして武岡社長に工場内を案内して頂いたが、まさしくそこはバックヤードビルダーだった。
シャーシも鋼材からゼロから作り、ボディのファイバーもゼロから成型していた。そこに、アメリカ製のモーターとインバーター(制御装置)などをタケオカのノウハウで改良を加えて搭載している。
同社はいま、国土交通省が推進している「超小型モビリティ」に対応した新型車両を開発中だ。
武岡社長は「ウチは規模が小さく、小回りが効く。だから、小規模生産ならば大手メーカーと十分、競争していける」と自信を見せた。
世界的に次世代エコカーへの転換が進むいま、英国で、そして日本で、バックヤードビルダーたちへの期待が高まっている。
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