【衝撃動画】パワーウィンドウ挟み込み事故の危険性|生の大根やゴボウを容易に切断
- 筆者: 小鮒 康一
非常に危険なパワーウインドウの挟み込み事故
文明の利器であるパワーウインドウ。
といっても今では軽の商用車でもほとんど標準装備となっていて、もはや感動するほどの装備ではなくなってしまった。しかし、まだパワーウインドウがオプションだったころは、いかに手動ウインドウをパワーウインドウ風に操作できるかを研究し、なるべく肩の位置が動かないようにウインドウハンドルをくるくる回したものだったし、ミツバのパワーウインドウキットは憧れの逸品だったのである。
おっと、閑話休題。そんな便利なアイテムのパワーウインドウであるが、モーターの力でウインドウを上げ下げすることで、うっかり挟み込みをしてしまうという事故が発生してしまっている。特に小さな子どもにとってはパワーウインドウの力は強大で、首や腕、指などを挟みこんでしまうことも……。
そこで今回は、JAFが実施したユーザーテストの結果を見て、改めてパワーウインドウの危険性や事故の防止策について考えてみたい。
※左:パワーウィンドウ普及前のウィンドウハンドル(車輌はたま 電気自動車[1947年])/ 右:社外製パワーウインドウキットを装着した日産 プレーリー
パワーウインドウの機能と閉まる力は?
車種により異なるオート機能や挟み込み防止機能の有無
パワーウインドウの機能としては、ウインドウをモーターの力で開閉するほかに、オート機能や挟み込み防止機能が挙げられる。
オート機能は窓を全開、全閉するときにスイッチを操作し続けなくてもいいというもので、車種によっては運転席の窓のみのものや、開けるときだけオートのものなどさまざま。そして挟み込み防止機能というのは、ウインドウを閉めるときになにかを挟み込んだと感知したときに制御を行うものだ。
国産主要3車種でテストを敢行して見えた驚愕の“切れ味”
今回テストに供されたのは、ホンダ N-BOX(先代型)、トヨタ プリウス、日産 セレナの3車種。そのうち、全てのウインドウに挟み込み防止機能が付いていたのはプリウスのみで、他の2台は運転席のみとなっていた。
また、プリウス以外の2車の挟み込み防止機能はオートで閉めたときのみ作動し、パワーウインドウスイッチを操作し続けた場合は作動しないことも分かった。
パワーウインドウの閉まる力はおよそ25kgf~35kgfとかなり強く、これは生の大根やゴボウを軽々切断してしまうほどの力。これほどの力で挟み込まれてしまっては、小さな子どもだけでなく大人でもケガをしかねないレベルと言えるだろう。
生の大根やゴボウを容易に切断、手で止めるのは非常に困難
今回、閉まろうとするパワーウインドウを手で止めることができるかどうかのテストも行ったが、8歳男児では両手を使っても止めることはできず、30代女性でも両手を使って止めるのがやっと。
50代男性の力をもってしても、閉まろうとしているパワーウインドウを両手で止めるのが精いっぱいで、下げることはできなかった。
過信は禁物の挟み込み防止機能
仮に挟み込み防止機能がついていたとしても、過信は禁物。あまりに細いものや小さいものだと反応しないケースもあるほか、窓が閉まる直前など、防止機能が効かない領域もあるようだ。
これは確実に窓を閉めるための措置のようだが、テストでは割りばし程度の太さでも感知しなかったことから、小さな子どもの手などでも同様の状態になる恐れがあるので、充分注意したいところだ。
パワーウィンドウの挟み込み事故を防ぐには
パワーウインドウを使うときは安全確認をして、子どもはしっかりチャイルドシートに!
パワーウインドウを使用するときは周囲の状況に充分注意を払い、挟み込み防止機能がついている車種であっても過信することは禁物。車内からだけではなく、車外からの挟み込みにも気を付けたいところだ。
小さな子どもが同乗している場合は、窓から外を見るときなどにうっかりパワーウインドウのスイッチに触れてしまって挟み込み事故が起こる可能性もあるため、パワーウインドウのロックスイッチをONにして、運転席の窓以外が動作しないようにすることも必要だろう。もちろん、走行中はしっかりチャイルドシートを使用しておけば、ほとんどの車種でパワーウインドウスイッチに手が届くことはないから、さまざまなリスクを回避するためにもチャイルドシートの使用徹底を図りたい。
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