Amazonが中国製チャイルドシートをリコール!?|安全性に難アリ! 危険過ぎる未認証の激安品にご注意を

Amazonが中国製チャイルドシートをリコール!?|安全性に難アリ! 危険過ぎる未認証の激安品にご注意を
中国製簡易型チャイルドシート・装着例 同梱されていた取説らしきもの?はすべて中国語。紺色のチャイルドシートには中国語の取説すら入っていなかった。 筆者が購入し、今回リコール対象となったのが左側の紺色のもの。ちなみに現在はいずれもアマゾンでは販売されていない。 中国製簡易型チャイルドシート・実際の児童・幼児装着例 Amazonでの購入履歴 ISO-FIX対応の取り付け器具例 ISO-FIX仕様の車であればこのようなマークやシート周りにタグが装着されている。 ISO-FIXコネクタ(例) 写真はISO-FIX対応のチャイルドシート装着例 画像ギャラリーはこちら

アマゾンがチャイルドシートをリコール?

昨日、Amazon(アマゾン)からいつもとは様子が違うメールが届いた。メールのタイトルの最初に【重要】とある。な、なんだろう。この前の買物がカード決済できなかったとか?ドキドキ…と、開いてみたらメールには思いもよらぬ内容が記されてあった!

アマゾンが販売していた、「安全性未確認のチャイルドシート」とは?

筆者が購入し、今回リコール対象となったのが左側の紺色のもの。ちなみに現在はいずれもアマゾンでは販売されていない。

その内容とは、筆者が2015年に調査のため購入したチャイルドシートについてであった。以下引用。

平素はAmazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。

誠に申し訳ございませんが、Amazonマーケットプレイスの出品者からお買い上げいただいた下記の商品について、国の安全基準に適合していない可能性が高いことが判明いたしました。お客様にご迷惑をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。恐れ入りますが、商品のご利用を速やかに中止していただきますようお願い申し上げます。

(中略)

出品者から回答が得られなかった場合や、Amazon.co.jpへ返品するように回答があった場合は、下記の配送センターまで宅配便着払いでご返品ください。

返送先住所:〒000-0000 ○○県××市××0-00-0 アマゾン 返品係

ご返品いただいた商品を確認しだい、お支払い方法に応じて返金処理をいたします。返金方法、返金にかかる日数などの詳細は、以下のヘルプページをご覧ください。(引用終わり)

筆者は2001年に長男が生まれたことをきっかけに、全国交通安全普及協会の「チャイルドシート指導員」の資格を取得し、これまで数百台に及ぶチャイルドシートのチェックアップをボランティアで行ってきた。

もちろんチャイルドシートの安全基準や新製品の動向も気になるところで、調査のため2015年にこちらの簡易型激安チャイルドシートを買ってみたのである。その後「最新の安全基準を満たしてない激安チャイルドシート」の代表例をいくつかのメディアで紹介してきた経緯もある。

そして、今回このようなメールがアマゾンから届いて驚いている次第だ。これって、要するにリコールってことなのだろうか? アマゾン本体ではなく、マーケットプレイスの商品でここまで対応するのって凄い!

「安全性未確認」とはどういうことか?

同梱されていた取説らしきもの?はすべて中国語。紺色のチャイルドシートには中国語の取説すら入っていなかった。

日本では2012年7月以降、メーカーが新規にチャイルドシートを出荷・販売する場合はECE R44/04または米国FMVSS213の基準を満たしていることが必須である。それ以外のチャイルドシートは出荷できない。最新の安全基準に満たない古いチャイルドシートでも、ユーザーが使用することは問題がない。

しかし、この中国製のチャイルドシートは国交省の安全基準、ECE R44/04などはもちろん、中国内の安全基準(あるのか?)すら表示されていない。いずれも3000円台前半で激安だ。

アマゾンだけではない! ほかの通販サイトにも「安全基準不適合」はもちろん「装着不可」のチャイルドシートがある!

Amazonでの購入履歴

今回のリコールにはかなり驚いたが、さすがアマゾン。アマゾンプライム歴13年になるが、このようなことは初めてだ。

しかし、今回リコール対象になったのは同時に購入したチャイルドシート2つのうち紺色のものだけ。やがてピンク色のシートもリコールになるのだろうか? また、同様の製品は楽天やそのほかの通販サイトにもたくさんある。安全性未確認というレベルではなく、装着が物理的に不可能なものもある。

<動画>【国土交通省】お子様の安全を脅かす未認証チャイルドシートにご注意!

米国基準ISO-FIXにご注意!

近年は、チャイルドシートを確実に装着できるISO-FIXが急速に普及し始めている。これはチャイルドシートの国際規格で、日本では2012年7月以降に出荷される国産乗用車はすべてISO-FIX対応になっている。後部座席のシートと背もたれの間にこのようなマークがあれば、そこにISO-FIXの金具があるということ。装着はチャイルドシート側の金具をガチャっとはめ込むだけでOK。ベルトやロッキングクリップで止める方法に比べて格段に簡単で、そして誰もが確実に装着できる。

しかし! 問題なのは、「米国基準ISO-FIX」と書かれたチャイルドシートである。ISO-FIXを掲げていながら、実はアメリカは独自の基準を設けており、そもそも装着方法も形状も違う。中には日本車や欧州車のISO-FIX対応車に装着できるものもあるが、多くはアメリカ車以外、正しい装着が物理的に不可能なタイプだ。購入の際には必ず車種別の適合をチェックして欲しい。

自動車先進国の日本、なのにチャイルドシート着用率6割チョットとは残念過ぎる

ISO-FIX対応の取り付け器具例
ISO-FIX仕様の車であればこのようなマークやシート周りにタグが装着されている。

チャイルドシートが法制化されて今年で17年目になるが、いまだにチャイルドシートの着用率は自動車先進国日本らしからぬ低い数字である(JAFによる2017年度調査で6歳未満のチャイルドシート着用率は64.8%)。

衝突事故などでチャイルドシートを使用しない子どもが窓を突き破って車外に投げ出され、路面に叩きつけられたり、後続車にひかれたりして亡くなる事故も後を絶たない。

今回のリコールは画期的なことではあるが、安全性未確認でも3000円の激安チャイルドシートでも、もちろん、まったく使用しないよりは使用した方が圧倒的に安全性は高くなる。今回、リコールで返品した皆さん、どうか代わりのチャイルドシートをすぐに購入して欲しい。今は1万円以下でも、最新の安全基準を満たしたチャイルドシートも複数販売されている。

[レポート&Photo:加藤久美子]

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加藤 久美子
筆者加藤 久美子

山口県下関市生まれ 自動車生活ジャーナリスト 大学時代は神奈川トヨタのディーラーで納車引き取りのバイトに明け暮れ、卒業後は日刊自動車新聞社に入社。出版局にて自動車年鑑、輸入車ガイドブック、整備戦略などの編集に携わる。95年よりフリー。2000年に第一子出産後、チャイルドシート指導員資格を取得し、チャイルドシートに関わる正しい情報を発信し続けている。 得意なテーマはオリジナリティのある自動車生活系全般で海外(とくにアメリカと中国)ネタも取材経験豊富。愛車は22年間&26万km超の916アルファスパイダー。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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