見て楽しい、参加し易い、F1の登竜門「FIA-F4」はモータースポーツの基本が満載!(2/3)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:STINGER
若手だけでなく、ジェントルマンドライバーにも注目されている
FIA-F4は、カートを卒業したドライバーが、F1を目指して参戦するカテゴリー。約800万円で2000ccのレース用のエンジンや、ホイールやタイヤを含めて走れる状態のマシンが用意できる。
もちろん、それはクルマ単体であり、カラーリングをして、移動の費用や走るためるのガソリン代、セッティングのためのエンジニアの費用などを含めると、年間1500万円ほど必要だが、それで全国のサーキットを転戦するシリーズ参戦が可能と考えると、決して高い買い物ではない。
モノコックがカーボンファイバー製であることも、このカテゴリーの特徴だ。カーボン繊維を接着剤で貼り付けて成形し、それをオーブンで焼くカーボンファイバーは、大量生産に不向き。製作にコストが嵩むだけでなく、壊れると補修がしにくいことなどから、軽量素材としては優れているからF1では常識的な素材だが、これまでの入門フォーミュラでは採用例がなかった。
コストの面から、壊れても継ぎ接ぎができるアルミ合金製のモノコックが主流だったのだ。
カーボンファイバーは“憧れの素材”であり、その素材で作られたモノコックを持つフォーミュラカーでレースができることもあって、FIA-F4はステップアップを目指す若手の登竜門としてだけでなく、ジェントルマンドライバーにも注目されている。
裕福な環境にあり、レースを愛する参加者にとって、格好のカテゴリーがFIA-F4というわけだ。
そして、参加者にとってのもうひとつの魅力は、開催レースが国内で最も人気が高いスーパーGTのサポートレースとして行なわれるところ。多いときには5万人を越える観客の前でレースができる。こりゃ、やるしかない、わけだ。
その結果、初開催のシリーズが始まった去年は30台以上の参加者が集まった。2年目の2016も、4月9-10日の幕開けには35台がエントリーした。F1を目指す16歳から、レース参加を楽しむ50歳過ぎの参加者まで、様々なジャンルからのドライバーがグリッドに並んだのだ。
トヨタとホンダが、“若手育成プログラム”の一環としてこのレースをサポートしていることも注目しておきたい。
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