東洋ゴム工業 マレーシア新工場視察レポート(2/3)

  • 筆者:
  • カメラマン:吉澤憲治
東洋ゴム工業 マレーシア新工場視察レポート
TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd)の外観 TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式の様子 TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式の様子 TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式にて TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式にて TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式にて TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式の様子 TTM(Toyo Tyre Malaysia Sdn Bhd) マレーシアタイヤ新工場 竣工式の様子 東洋ゴム工業(株)代表取締役会長 中倉健二氏 画像ギャラリーはこちら

2015年までに年産500万本を、将来はさらなる増産も視野に

5月8日に行われた新工場竣工式では、地元マレーシアの報道陣をはじめ、日本からの記者団、そしてマレーシア政府官僚、日本政府官僚、自動車関連企業幹部が多数出席し、東南アジア地域における東洋ゴムの新たなターミナル開所を祝った。

東洋ゴム工業(株)代表取締役会長 中倉健二氏

記者会見で東洋ゴム工業の中倉会長は

「高性能、高品質を軸に、日本のものづくり企業としてジャパンテクノロジー、ジャパンクオリティを拡げたい。そのための技術提供は惜しまない」と語り、マレーシアの経済発展にとって、TOYOをチョイスすることがベストな選択となることを多くの方たちへ広めていきたいとした。

新工場で生産される商品は、特に欧州での評価が高いフラッグシップのPROXESシリーズを筆頭に、グローバル展開を推し進める次世代低燃費タイヤNANOENERGYシリーズ、そして依然東南アジア諸国で人気が高いピックアップトラックやSUV、そしてMPVモデルなどの専用タイヤの生産も行っていく予定で、“地産地消”を軸に東南アジア諸国への供給拡販を行っていく。

生産キャパシティは、2015年までに年産500万本。さらに同規模の生産ラインを近々同敷地内に新たに増設することも明らかにした。そうなれば2015年以降はさらなる増産が可能になるということ。つまり、より多くの従業員確保も必要ではあるが、それは還って地元の雇用創出にも繋がり、地域経済の活性にも貢献できると首脳陣に躊躇する様子は見られない。

マレーシア国際貿易産業省高官 レベッカ・ファティマ・サタ・マリア氏

マレーシア国際貿易産業省高官 レベッカ・ファティマ・サタ・マリア氏によれば、マレーシアは東南アジアの主要国。

マレーをはじめ勢いを増す周辺国の経済成長も鑑みれば、同工場が軌道に乗ることは明らか。そして工場従業員約800名という地元の雇用を生み出してくれたことは、自治体をはじめ同国において大変明るい話題だとコメントした。

さらにシルバーストンにもハイレベルな生産能力が備わり、東洋ゴムとの生産協力体制が本格軌道に乗れば大きな利益を生み出すはず。その恩恵は国内へと波及し、マレーシア一人当たりのGDP8,600ドルをさらに上回る可能性は計り知れないと、大きな期待感を露わにした。

絶好のタイミングとなった新工場の立ち上げ

マレーシア国内の新車販売台数は2012年には637,753台。これが2013年には640,000台を上回るという予測も立てられている。

その背景にはマレーシア政府によるいくつかの独自活性化政策が存在する。中でも環境対応車両への優遇措置は、2020年までにハイブリッド車と電気自動車のシェアを、市場総需要量の10%まで引き上げるというもの。

つまり日本と同じエコカー市場の拡大を図り、総販売台数の底上げを狙うというのだ。これが着々と進行して行けば、マレーシア国内のタイヤ需要も自ずと高まる。まさに絶好のタイミングでの工場進出となったわけだ。

では、そういった需要に応えていくために、高品質でかつ大量生産、そして雇用の安定化も視野に入れた生産体制とはどのようなものなのか。

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