スマート フォーツー electric drive [電気自動車] 試乗レポート/岡本幸一郎(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
実証実験を経て第3世代がいよいよ市販化
交通渋滞や石油資源の枯渇など、環境の影響が社会問題となり始めた1970年代初頭、メルセデスでは早くも電気自動車(EV)を都市型コミューターとして利用する構想を描き、その研究を始めていた。
やがて1998年に「smart(スマート)」がデビュー。
当初からEV化を意識して設計されていたスマートだが、それが現実のものとして動き出したのが2007年。実証実験の「smart electric drive」プロジェクトが、ロンドンで始動した。
さらに、2009年からは第2世代の2000台以上の車両による実証実験が世界規模で行なわれ、2010年には日本にも持ち込まれた。そして当初の構想から40年後、「スマートフォーツーエレクトリックドライブ」が、いよいよ市販化されるはこびとなった。
第3世代となる同モデルでは、前述の公道テストによるデータを基に性能と使いやすさの向上が図られている。
140km以上という航続距離は、日常生活で十分な性能であることが実証実験においても証明されたのだが、一方でユーザーが求めたのは最高速度の向上と60km/h超からの加速性能の改善だったという。そこで、ターボモデルを上まわる130Nmのトルクを発生する電気モーターが与えられた。
2012年5月には日本でも予約受付がスタート。秋にはクリーンエネルギー自動車の補助金の対象に加わったことが正式に発表され、補助金の金額は最高52万円に設定された。300万円を切る車両価格は、日本で販売されているEVの中では安いほうであり、これに補助金が加わると、ガソリンモデルのフォーツーと大差ない金額となる。
なお、3年間走行距離無制限の一般保証のほかに、フォーツーエレクトリックドライブのリチウムイオンバッテリーには、6年間・走行距離10万kmの特別保証が付く。
さらに、点検と一部の定期交換部品をパックにした有料サービスプログラム「smartメンテパック」には、新車登録後71カ月までカバーする「EV専用プラン」を15万9000円で用意。ガソリンモデル同様に「smartツーリングサポート」にも加入できる。
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