サーブ 新型9-5 試乗レポート/岡本幸一郎(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
サーブらしさ満点の内外装
エクゼクティブ・デザイン・ディレクターであるジェイソン・キャストリオタ氏が、航空機を起源とするサーブに相応しく、「エアロモーショナル」デザインと呼ぶコンセプトとともに、視覚的 DNAを推進していると述べているとおり、2代目9-5も、同クラスの競合他車とは一線を画するデザインが興味深い。
初代9-5の後期型のフロントは、いささか唐突で違和感を覚えたものだが、新型9-5では独特の雰囲気を残しつつも、全体が巧く調和しているように見える。全体的に複雑な凝った面構成のボディパネルは、リアから見ると強く丸みを帯びているあたりや、横一文字に通ったテールランプが印象的だ。
インテリアも、メーターパネルからセンターコンソールまで一体につながったインパネや、格子状のエアコンの吹き出しなど、伝統を受け継いでいる。 イグ二ッションキーを挿す部分は、エンジンスタートボタンになっている。
インフォメーションの表示については、けっして販売台数の多くないクルマながら日本語まで用意しているのも特徴。他の表示を消して速度計のみを表示する「ナイトパネル」の設定も、航空機メーカーを起源とするサーブらしい演出だ。
大柄なボディにより得られた室内空間は、かなり広い。エアロではヴェクターよりも若干サイドサポートの大きく張り出したシートとなり、座面長も変えられるようになっている。
後席の空間も広く、横方向や膝前のスペースに余裕がある。あまりヒップポイントは高くなく、前席に似た形状のシートとなっているのも、後席乗員も乗務員といったサーブのこだわりなのかもしれない。
広いトランクルームもサーブの伝統的側面で、利便性を高めるU字型のレールなど、上級セダンとしては珍しい装備が設定されているあたりも独特だ。ただし、サーブらしさ満点の内外装は、マニアックなファンへの期待に大いに応えているものの、この価格帯のクルマとしては全体的に樹脂の質感がいまひとつで、各部のチリ合わせに粗さが見受けられるのも、これまた歴代サーブでも見られたサーブらしい一面。
また、ステアリングのチルトやテレスコピックが手動で、ウインカーレバー等の動作にもう少し節度感が欲しい点や、トランク上面に緩衝材が貼ってない点など、プレミアムカーとしてはもう一歩という部分もなくはない。そのあたりは今後に期待することにしよう。
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