サーブ 新型9-5 試乗レポート/岡本幸一郎(2/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
PCIが正規輸入権を取得
しかし、順調に見えたサーブだが、内情は芳しくなかった。
1990年には、かねてから関係の深かった米GMから出資を受け、航空機を主に生産するサーブ本体からは独立した会社(サーブ・オートモービル社)となった。その後、同社は1995年に、1968年に合併していたトラック・バスメーカーであるスキャニアを再び分離(現在はフォルクスワーゲングループ傘下)。さらに、2000年にはGMの完全子会社となる。
当時の世界販売台数は概ね10万台前後で、よくて12万台を超えるという状況が続いたが、GM傘下にあった約20年間で黒字を記録したのは、1994年と95年のわずか2年のみだった。ちなみに世界販売台数は、2006年に記録した、前年比5.4%増となる13万3167台が歴代最高となる。
ところが、今度はGMの経営が逼迫し、サーブは整理の対象となり、2009年2月に会社更生の手続きに入ったことが伝えられた。GMは、まずスウェーデンのスーパーカーメーカーの「ケーニグセグ」にサーブ・オートモビルの売却を交渉したものの上手くいかず、次いでオランダの高級車メーカーの「スパイカー・カーズ」と交渉。
また、2009年12月には、GMと中国の北京汽車との間で、9-3と初代9-5の知的財産権とパワートレイン技術、生産設備一式を売却することが基本合意された。2010年2月に、「サーブ・スパイカー・オートモービルズ」として再出発することとなり、新生サーブのスタートを飾る2代目9-5の生産がスウェーデンで開始された。
なお、サーブ車の日本への輸入および販売は、GMの日本法人にかわって、VTホールディングスの「PCI(ピーシーアイ株式会社)」が手がけるはこびとなった。
9-5の価格は、2リッター直4直噴ターボを積む「ヴェクター」の2WDが580万円、AWDが640万円、2.8リッターV6ターボを積む最上級の「エアロ」はAWDのみで、695万円。 本来はその他の設定もあるが、日本に導入されるのは、まずは上記3モデル。 いずれにしても全車ターボというのがいかにもサーブらしい。
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