人気のSUVに向けたふたつの新型タイヤをCX-5でインプレッション|ヨコハマタイヤ BluEarth-XT & GEOLANDAR CV(3/3)

  • 筆者: 中谷明彦
  • カメラマン:田村 弥
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土系イメージのジオランダーもクロスオーバーSUV向けを発表

今回、もう一台同時にインプレッションしたタイヤがある。それは同じヨコハマタイヤのSUV用タイヤとして既に知名度の高い「ジオランダー」ブランド。その最新モデルである「ジオランダー CV G058」(以下ジオランダー CV)だ。SUV車の中でも悪路をより意識したクロスカントリー系モデルに好んで装着される「ジオランダー」だが、クロスオーバー系SUVにまで適合性を拡げたのがこの「ジオランダー CV」なのだ。

一見ブルーアース XTと競合するように思われるが然に非ず。サイズは同じながら外観的には多くの相違点を見出だすことができる。トレッドパターンデザインは4本のストレートリブを配しているのはブルーアース XTと同様だが、横方向に貫通する細かな溝を数多く配されている。一見して太い横溝と細い横溝が目視できるが、さらに詳細に見ると2D、3Dといった複雑で細かなサイプ状の溝が刻まれている。それもそのはず、ジオランダー CVは急な降雪にも対応できる「M+S」規格なのだ。「M+S」のマーキングが刻まれていれば冬季の冬用タイヤ規制には対応していないが、都市部での急な降雪程度なら走行可能である。特に4WDモデルに装着すれば首都圏のドライバーには突然の雪に立ち往生、という心配もなくなるといえる。

ジオランダー CV × CX-5の相性は?

今回はCX-5(初代)ディーゼル4WDモデルに装着し、舗装路での走行フィールをチェックしてみた。装着タイヤのサイズは225/55R19。標準のサマータイヤから履き替える。

停止状態でステアリングを転舵し据え切りしてみるとハンドルが軽くなっていることがわかる。これは溝が深いこととサイプが細かく配置されているため、トレッド剛性が低くなっているためと思われる。サイプを多く配置することと接地形状のフラット化により、雪道では雪を圧雪し剪断剛性を確保してトラクションを引き出せるのだ。接地形状の影響は、走行中の転舵でも感じ取れた。

標準タイヤでは転舵時にタイヤ接地面の形状が前後に長く、接地中心を軸の回転モーメントが大きくなって操舵力が重くなる。だがジオランダーCVでは接地面形状がフラットな形状のため操舵力が軽いのだ。乾燥舗装路の剛性感としては若干落ちるものの、ハンドルが軽くなって操作性が高まるのは多くのドライバーの助けになるし、車両の操舵系への負担も軽減されるので旧式モデルにも好ましい。

走行フィールだが、トレッド全体に溝が多くなるのでパターンノイズでは標準のサマータイヤに劣るが、溝が深く摩耗寿命が長く見込めるので、4WDのSUV車で長距離ドライブの多いユーザーには助けとなるはずだ。

このように今回テストしたヨコハマタイヤの最新SUV用タイヤは共に市場ニーズを十分解析し、幅広いユーザーと車種、走行パターンにマッチする好特性に仕上げられていることが確認できた。

筆者/中谷明彦 撮影/田村 弥

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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