トーヨータイヤ 新「TRANPATH(トランパス)」シリーズ 試乗レポート/飯田裕子(1/4)
- 筆者: 飯田 裕子
「ミニバンにはトランパス」でお馴染みトーヨーのミニバン専用タイヤ トランパスシリーズがモデルチェンジを行いそれぞれに異なるモデルに向け、2014年1月、2月、3月と続けて新製品を発表していく。
1月14日には9年ぶりにモデルチェンジを行ったラグジュアリーミニバン系タイヤ『TRANPATH Lu II』を、続いて2月14日には‘95年に登場したミニバン専用タイヤmpシリーズの6代目となる『TRANPATH(トランパス) mpZ』、さらに3月14日には近年どのタイヤメーカーからも販売されていない軽自動車専用プレミアムタイヤ『TRANPATH LuK』をトーヨーの新製品として発表する予定だ。
近年、安全性の追求や居住スペースの拡大などにともない、クルマの総重量が上がっていく傾向にあるなかで、タイヤサイズ自体は大きくは変わらない。つまりタイヤへの負荷は上がる一方なのだ。しかしトーヨーの専用タイヤのメリットは、クルマの進化にタイヤが追従するということだけではない。むしろ一歩先回りした専用タイヤ開発によって、ミニバンの走りをハンドリングのみならず静粛性や環境性能を含め洗練させている。言ってしまえば、そのために専用タイヤというものが存在するということを、トランパスシリーズを試乗してみて改めて実感した。
今回は新旧のタイヤを同じ車種で比較試乗することができた。その違いを紹介する前に、筆者が実際に乗って開発者の方にお話をうかがい、3種類のタイヤに共通するココがスゴイ!コレが効いてる!という技術をまず紹介しておきたい。
ココがスゴイ!新技術その1 低燃費性能=『ナノバランステクノロジー』
「目に見えないミクロの世界が目に見えるようになったから、低燃費性能を100%引き出せるタイヤが作れるようになった」というナノバランステクノロジー。
これは現在のトーヨーの低燃費タイヤ、ナノエナジー3などに採用されているナノバランステクノロジーの進化によって、トランパスシリーズの低燃費性能の向上を、骨格設計ではなくゴムで実現できた。おかげで走りのしっかり感を、より構造設計で高めることができたという。
ナノバランステクノロジーの進化とは…。
これまではゴムに配合されるポリマーやシリカ、カーボンが凝結=塊りで残ってしまうという実情は、詳しくは覗き見ることができなかったのだそうだ。ところが最先端の技術により、ミクロの世界を覗きながら設計(練りの技術など)を行うことができるようになり、ポリマーやシリカ、カーボンなどをミクロのレベルで分散させることができた。さらにどう練ったら良いかだとか、どの材料をどれだけ使ったら均一になるかというということがわかる=見えるようになり、配合の精度が向上。均一に分散し、キレイにミックスされることで狙った性能を100%引き出すことが出来た。
「しっかりボディ(骨格)にこれを載せたら低燃費性能が出せた」とは開発者の弁。ナノエナジー3という低燃費タイヤの技術をトランパスシリーズ=ミニバン専用設計に用いた相乗効果は著しい。
ココがスゴイ!新技術その3 高剛性キャップ(軽自動車初採用)
一般的にタイヤのゴムの下には、スチールベルトが2枚入っている。また路面と設置するトレッド部とスチールベルトの間には「キャップフライ」なるものを組み込み、トレッドの剛性を高めている。が、実は軽自動車にキャップフライを被せることはなかった。理由はコスト増を抑えるためと、以前までの軽自動車はキャップフライを入れるほどの重量や剛性を必要としなかったため。
しかしトールワゴンタイプの軽自動車が増え、剛性アップなどにより車重も重くなった。さらに軽自動車の使われ方やユーザーにも変化が見られ、乗車人数も変わってきている。そこでトーヨーでは走りの安定感を高めるため、近年の軽自動車としては初めてこの高剛性キャップ(フライ)を採用している。
ココがスゴイ!新技術その4 見た目摩耗と片摩耗
背の高いミニバン系のクルマは、コーナリングした際のタイヤの負荷も大きい。するとより片減りしやすくなることもあるのだそうだ。偏摩耗したタイヤは見た目にも減ったと感じる度合が大きく、タイヤ交換時期を早めることにも繋がってしまう。今回の3タイプの新製品は、ナノテクノロジーに採用される耐摩耗ポリマーのほか、ワイドトレッド化やスーパー・ハイ・ターンアップ構造の採用、低溝容積化などにより、面で荷重を受け易くし、さらにサイドのリブ構造を強化することで、しっかりとしたハンドリングのみならず偏摩耗を防ぎやすくした。1本のタイヤを最後まで使いやすくなり、ロングライフ=経済的な貢献にも期待できる。
これらの新たな技術採用を踏まえて、新開発のタイヤを個々の更なる特徴とともに紹介しよう。
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