シェルビーコブラ アジアパシフィック(AP)モデル「A-Line」[6速ATモデル] 試乗レポート/岡本幸一郎(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
シェルビーアジア独自の「APモデル」にAT仕様の「A-Line」が追加
2011年にレポートした、シェルビーアジアがプロデュースする「シェルビー コブラ」のAP(アジアパシフィック)モデルに、待望のAT仕様「A-Line」が加わった。
◎参考:
■シェルビーアジア コブラAPモデル 試乗レポート/岡本幸一郎[2011年9月7日]
まず、コブラについてざっとおさらいしよう。コブラのベースとなったのは、1950年代に人気を博した「ACカーズ」というイギリスの自動車メーカーの「エース」というスポーツカーまで遡る。ところが、エンジン供給を受けることが困難な状況に陥り、その際にキャロル・シェルビー氏が、エースにアメリカの大パワーエンジンを組み合わせたら面白いクルマができるというアイデアを、当時フォード副社長のリー・アイアコッカ氏にもちかけた。
こうしてACカーズのフレームとボディにフォードのV8エンジンを搭載して完成したのが「AC コブラ」で、1963年から70年頃にかけて、4.7リッターエンジンを積む「289コブラ」が600台、7リッターエンジンを積む「427コブラ」が347台生産された。
AC コブラ消滅を惜しむ声から生まれたリプロダクション・コブラ
コブラは圧倒的な性能を誇り、レースでも数々の輝かしい成績を収めた。しかし、ACカーズの業績低迷、ガソリン価格の高騰、コブラがアメリカ国内の安全基準を満たせなくなったことなどの諸事情により、コブラは消滅を余儀なくされ、ACカーズもやがて倒産した。
ところが、短期間に大きなインパクトを残したコブラの消滅を惜しむ声は大きく、やがて1970年代中盤から世界各地で無数のコブラのレプリカが生産されるようになった。前出の「オリジナルコブラ」に対して、こちらは「リプロダクションコブラ」と呼ばれる。
一方で、やがてシェルビー氏自身がオリジナルコブラと同じ治具やパーツを用いて忠実にオリジナルを再現したコブラを世に送り出した。こちらが継続生産を意味する「コンティニューションコブラ」だ。
このようにコブラは大別して、「オリジナルコブラ」、「コンティニューションコブラ」、「リプロダクションコブラ」という3つに分類される。 シェルビーアジアの田邉正剛代表が日本向けにプロデュースした「アジアパシフィックモデル(以下APモデル)」も、リプロダクションコブラの中のひとつとなる。
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