ボクスホール アストラVXR 試乗レポート/大谷達也(1/2)

ボクスホール アストラVXR 試乗レポート/大谷達也
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280馬力という最高出力は、ライバルモデルを大きく凌ぐ

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“ボクスホール”と聞いてピンときたアナタは、相当のクルマ通だ。

自動車メーカーであるボクスホールがイギリスに誕生したのは、いまから110年も前の1903年。驚くことに創業当時からモータースポーツ活動を熱心に行っており、1908年にはブルックランズというサーキットでロールスロイスと競い、これを破ったなんていう記録も残っている。ただし、1925年にはアメリカのゼネラルモーターズ(GM)に買収され、以来、現在にいたるまでイギリスにおけるGMの1ブランドとして人気を博してきた。

GMは、同じヨーロッパ圏内のドイツにオペルという子会社を持っていて、ひとつの車種をイギリスでは「ボクスホール」、イギリス以外の地域では「オペル」として販売している。つまり、一国だけのためにわざわざボクスホールというブランドを残しているわけだが、これは、それだけ同社の知名度がイギリスで高いことを示す証拠でもある。

そのボクスホールのCセグメントハッチバック、つまり「フォルクスワーゲン ゴルフ」の対抗馬が「アストラ」で、その最上級スポーティモデルは「VXR」と呼ばれる。最高出力は前輪駆動にもかかわらず280psだから、パフォーマンス的には同じ前輪駆動のゴルフGTI(最高出力211ps)を大きく引き離し、4輪駆動のゴルフR(同256ps)さえ凌いでいることになる。また「世界最速の前輪駆動車」として知られるルノー メガーヌR.S.の最高出力は250ps。アストラVXRがどんな位置づけのモデルか、これでおおよそおわかりいただけただろう。

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アストラVXRはパワフルなだけ?いやいや、見事にバランスの取れたホットハッチだ

ボクスホール アストラVXR

ただし、これもクルマに詳しい人だったらよくご存じのとおり、前輪駆動車で取り扱える最高出力は250psあたりが限界で、これを越えるとバランスのとれたクルマ作りができなくなるというのがこれまでの定説。では、280psのアストラVXRは、ただエンジンがパワフルなだけで、バランスの崩れたホットハッチなのだろうか?

いや、実際はそれとは正反対で、アストラVXRは速いのはもちろんのこと、意外にも実に乗りやすく、そして円熟されたクルマだった。

たとえば、乗り心地が抜群にいい。試乗車は245/35ZR20サイズのピレリ・Pゼロという、かなりファットなタイヤを履いていたけれど、3段階に切り替えられるサスペンションのどのモードを選んでも、ガツンというショックが路面からダイレクトに伝わってくることはなかった。

この3段階のうち、いちばん硬いVXRモードを選ぶと、さすがに路面のうねりでボディが上下にゆさぶられる機会が増えるものの、それでも路面からの突き上げはあまり感じられない。

ボクスホール アストラVXR

それでいながら、しっかりとしたダンパーの働きでボディのふわついた動きは見事なまでに抑え込まれており、ホットハッチに求められる機敏なハンドリングも実現されている。この辺は超軽量アルミホイールを採用していることも効いているのだろうが、見事なバランスというしかない。

いっぽう、今回は短時間の試乗だったため、限界的なコーナリングを試すチャンスはなかったけれど、それでもリアタイヤが安定して高いグリップ力を発揮していることはよくわかった。特別な腕前がなくても安心して飛ばせるハンドリングだ。

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大谷 達也
筆者大谷 達也

1961年、神奈川県生まれ。エンジニア職を経験後、1990年二玄社に就職し、CG編集部に配属となる。以来、20年間にわたり同誌の新車情報、モータースポーツに関する記事を企画・編集・執筆。2010年3月フリーランスとなる。現在もCGの編集・執筆業務に携わる傍ら、ENGINE、GENROQ、東京中日スポーツ新聞、レーシングオンなどにも寄稿。日本モータースポーツ記者会会員。記事一覧を見る

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