これぞ「ベストカングー」!/ルノー 新型 カングー ゼン 1.2ターボ EDC 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正
カングー唯一にして最大の難点・・・旧態化したパワートレインを一新
現行型の2代目カングーは2010年に日本に導入されたが、2013年にフロント周りを一新させるマイナーチェンジを実施。2014年1.2リッター直噴ターボモデルの追加、本国でのフリート販売のメリットを活かす、日本独自展開のスペシャルボディカラー限定車のリリースなど、着実に進化・熟成を行なってきた。
ただ、一つだけどうしても気になることがあった。最新のダウンサイジングターボである1.2リッター直噴ターボはMTモデルのみの設定で、日本のユーザーが最も必要としている2ペダルモデルは、旧態化した1.6リッターNA(ノンターボ)と4速ATのみの設定だった事である。
昔からフランス車に乗っている人であれば、「少ない馬力を目いっぱい使って走るのがフランス流」、「こんなもんでしょ」と言うかもしれないが、日本車から乗り換えた人などは、絶対的な動力性能はもちろん、フィーリングや静粛性、燃費などは、現在のレベルで言えば“必要最小限”と言わざるを得なかったのも事実だ。
ルノー最新の1.2直噴ターボを6速ツインクラッチトランスミッションと組み合わせた
そんなカングーの2ペダルモデルに、ルノー最新のパワートレインとドライブトレインが搭載。それが「カングー ゼン EDC」だ。
>>ルノー カングー ゼン 1.2ターボ EDC 画像ギャラリー
トランスミッションは4ATからゲトラグ製6速EDC(エフィシェント・デュアル・クラッチ)、いわゆるツインクラッチMT(マニュアルモード付)へと変更。ツインクラッチMTをおさらいすると、2組のクラッチシステムを用いることで、エンジンからの出力をスムーズかつ効率よく路面に伝えるトランスミッションで、すでにルーテシアやキャプチャーなどにも搭載されている。
エンジンはすでにMTモデルに搭載されている1.2リッター直噴ターボ「H5F」で、スペックは115ps/190Nmを発揮するが、6速EDCの特性に合わせて最適化されており、最大トルクの発生回転数は2000→1750rpmに下げられている。もちろん、最新のエンジンらしく減速時の運動エネルギーを再利用する「エナジー・スマート・マネージメント」(ESM)、ECOモード、ストップ&スタート機能なども採用されている。
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