ポルシェ カイエンS ハイブリッド 試乗レポート/御堀直嗣(1/2)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:茂呂幸正
世界初のハイブリッドカー、それは・・・
カイエンSハイブリッドに試乗して、改めてポルシェが高い品質のクルマを開発していることを実感した。そしてカイエンSが、とても上品なSUVであることに感動した。
昨2011年のフランクフルトモーターショーでレプリカが出展されたように、世界初のハイブリッドカーは、フェルディナント・ポルシェ博士によって1900年に開発された。しかもそれは、前輪にインホイールモーターを組み込んだ電気自動車を基にしている。この電気自動車が、フェルディナント・ポルシェ初の自動車製作にもなったのだった。
さて、そういうハイブリッドカー元祖としてのポルシェがカイエンSに搭載したハイブリッドシステムは、3.0リッターのV型6気筒エンジンと、ドーナッツ状の電気モーターで構成されている。
3.0リッターのV型6気筒エンジンはスーパーチャージャーの過給器付で最高出力は245kW(333PS)、電気モーターは34kWである。エンジンと電気モーターを組み合わせたトルク線図を見ると、発進と同時に580Nmの最大トルクを発生する能力が示されている。このうち電気モーターだけでも、300Nmを出す。
嗚呼、これぞまさしく高級車の趣
運転席に座って最初にエンジンを始動した後は、減速段階でエンジンは停止しており、停車後の発進は電気モーターだけで行われる。したがって、近年搭載車の増えたアイドリングストップ車のように、停車してからエンジンを停止するのではなく、また、発進しようとした際にエンジンが始動することもないため、停止と発進はきわめて滑らかだ。
そして、いつエンジンが停止したのか、エンジン回転計を見ていなければ気付かないほど自然に行われる。この意識させないエンジン停止と、電気モーターのみによる発進の様子から、カイエンSハイブリッドが、非常に高級な乗り味のクルマであることを実感する。そのうえ、速度が上がったり、アクセルペダルをより強く踏み込んでいったりした際には、V型6気筒エンジンが始動するが、このときも、エンジン音がしはじめたことには気付くものの、いわゆるエンジンが「ブルンッ」と動き出すような振動は伝わらない。
そこから間もなく、カイエン各車に共通の8速ティプトロニックSのトランスミッションがギアチェンジを行うが、この変速も実に滑らかで、ギア比が切り替わることによるショックを伝えないのである。
エンジンの音はしていても、トランスミッションを持たない電気自動車が滑らかに加速していくような感触だ。もちろん、エンジンの出力カーブにのってゆくように、シフトアップのたびに加速がグンッと伸びるエンジン車の加速も魅力はあるが、カイエンSハイブリッドのように、V型6気筒エンジンと電気モーターと8速トランスミッション相互の絶妙な取り合わせにより、何のショックもなく速度を上げていく様は、それはそれで、新たな加速感覚を体験させてくれるのである。
しかも、若干のエンジン音以外はいたって静かであり、SUV用のタイヤを装備しているにもかかわらずタイヤ騒音も耳に届かない。となると、まさしく高級車の趣なのである。
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