日産 エクストレイル 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田淳
さらなるオフロード性能にヒットの予感
エクストレイルは2000年に、200万円で本格的な電子制御4WDを備え、コンパクトだが室内は広く、荷物もたくさん積める、というコンセプトでデビューした。このコンセプトは20代のヤングユーザーを中心に受け入れられ、4年連続でSUVのベストセラーカーにもなった。
デビューから7年目に入り、三菱アウトランダー、ホンダCR-V、日産RAV4などのライバルたちも登場し、変化を求める声がではじめた。新型はオフロード性能を生かしたデザインを採用した。これは、5月にオンロード系SUVのデュアリスを投入したことが背景にある。性格の違うSUVを2車種持つことで、他社のように中途半端なデザインや性格にしなくてよくなったことも大きい。
しかも、デュアリスと共通のコンポーネンツを使うことで、走行性能も高く、車両価格も抑えたSUVが完成したのだ。2代目もヒットの予感がする。
コンセプトは変えず、便利な機能を更に追加
新型のボディサイズは旧型と比較すると、全長が135mm、全幅20mm、全高10mm、ホイールベースも5mm大きくなった。とくに長さはリアのラゲッジスペース拡大に結びついている。車両重量は約80~100㎏重くなった。
スタイリングは何度か大幅な手直しをされたといわれているが、結局、旧型からのキープコンセプトに仕上げられた。輸入車でもBMW X5、メルセデスベンツ Mクラス、フォルクスワーゲン トゥアレグ、ポルシェ カイエンなどのSUVが同じようにキープコンセプトで2代目へと進化しているので、これは世界的な流れといえる。個人的には初代のほうが軽快で、シンプルなよさがあったと思うが・・・。
インテリアはセンターメーターをやめたが、ポップアップステアリング、大容量インストアッパーボックス、ウォッシャブルラゲッジボード、防水シートなどは受け継がれている。アームレストを倒すと長尺物を積み上げられるのは、スノーボーダーには便利な工夫だ。
クラストップレベルの走行性レベル
エンジンは4気筒2Lと2.5L。2L車はエクストロニックCVTと6速マニュアルシフトが用意されている。2L車にはフルタイム4WDのほかに、前輪駆動の2WDもある。2.5L車は6速マニュアルモード付のCVTが組み合わされる。2.5L車は4WDのみだ。
2L車から試乗する。4WDモードはオートモードを選択。2Lエンジンは1.5トンの車重にはちょっと非力。とくに峠のワインディングではDレンジではちょっとつらい。スポーツモードを選びながらの走行になる。その点、2.5Lはトルクが太く、中間加速も力強い。
しかし、驚いたのはコーナリングに入っても、ハンドルを切りこむとそのままコーナーをクリアする。サスペンションの踏んばりがいいのだ。これはドイツ・ザックス社製のショックアブゾーバーの効果が大きい。
オフロード性能も下り坂での自動ブレーキ装置などが的確に作動し、安定している。
走行レベルの高さはSUVでもトップクラスといってよいだろう。
トータルレベルの高いお買い得なクルマ登場
走行性能に関しては、運転席よりも助手席の人のほうがロール感もスピード感も少なく安心して乗っていられる。大人数でロングドライブに行っても、パッセンジャーの疲労が少ないクルマだ。リアシート用のエアコン吹き出し口も標準装備になり、快適だ。
リアのラゲッジスペースは、奥行が旧型よりも長くなっただけでなく、床下に引き出しや、折り畳みテーブルを収納できる空間をつくるなど、遊び心をふくらませる装置を設けている。これはエクストレイルのようなSUVにはとても大切なことだ。アメリカンなアウトドアレジャーが楽しめる。
車両価格だが、2WDの2L「20S」が199万5000円と、200万円以下の値付けで注目。4WDも2L車は230万円台なので、ライバルたちとも互角に戦える。さらに機能などの充実ぶりを加味すれば、エクストレイルの買い得感は高まる。
少々のキズなら復元する塗装も有難い。トータルバランスレベルが極めて高いクルマの登場だ。
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