日産 ティーダ 1.8G 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:難波賢二
ティーダ&ティーダラティオに1.8Lモデル追加
ティーダは04年9月にデビューした2ボックスハッチバックモデル。10月に加わった3ボックスセダンのラティオとともに、サニーに代わるクルマとして位置付けられている。デビュー当初は新開発の直列4気筒1.5Lエンジンだけのラインナップだったが、05年1月に1.8Lエンジンが追加された。
この1.8Lエンジンも直列4気筒DOHCの新設計になる。1.5Lと比較してみると、最高出力は16馬力アップの125ps/6000回転、最大トルクは2.6kgmアップの17.7kgmに向上している。
燃費は10・15モードで16.4km/L。環境性能は三ツ星のU-LEVで、1年間の減税対象車になる。基本的に1.5Lモデルと同じメカニズムだが、ガソリンタンク容量は1.5Lの45Lから52Lへと増量されている。
1.8リッターモデルのグレードは18Gのみ。FF車の設定だけで、価格は184万8000円、1.5Gより12万6000円高になる。
ワンランク上の装備で上級モデルらしい高級感を演出
「18G」のエクステリアとインテリアは基本的に「15G」と大差ない。ボディサイズなどの変更もない。もともと、排気量やグレードを表わすバッジ類、エムブレムは付いていないのだ。
唯一の見分け方は、ボディサイドに装着されたウエストメッキモールだ。他のモデルはメッキモールなどは付いていない。
ヘッドライトもプロジェクターキセノンヘッドランプ&アクティブAFS(ステアリング連動式配光ヘッドランプ)が標準装備になっている。
室内では運転席の座面や背もたれの調整に電動式を採用し、上級モデルらしい高級感を演出している。もちろん、ドライバーが好みのポジションを確保するのに、これは便利だ。
このような装備をプラスしたことで車両重量は15Gよりも20㎏重くなっている。
低回転域からのトルクが太く、乗り心地はしなやか
まず新開発の1.8Lエンジンのフィーリングからレポートしよう。
Dレンジでスタートして最初に感じたのは低回転域からのトルクが太いこと。アクセルに対するレスポンスも鋭い。スタート時にちょっと勢いよくアクセルを踏みこんだら、瞬間にフロントタイヤがホイールスピンしたほどだ。中間加速も力強く、例えば交差点を左折してからの立ち上がりもスムーズなのだ。
ミッションはエクストロニックCVT。Dレンジ、100km/h走行時のエンジン回転数は2100回転。これは1.5Lモデルと同じだが、トルクの余裕が違う。
エンジン音は3000回転を越えると若干大きくなる。1.5Lのような低回転からのバサつきは消えた。
18Gに乗って、次に感心したのは乗り心地がしなやかになったこと。コーナリング時のロールも小さくはないが、動きが安定している。まるでヨーロッパの小型車のようなのだ。
EUのベストセラーカー、ルノー メガーヌに匹敵する高い完成度
「走り」の最後にも書いたように、18Gのハンドリングは、かなりレベルが高くなっている。とくに、しなやかな感じはこれまでのティーダにはなかった味付けだ。
ティーダ18Gを試乗する数週間前に、日産の親会社であるルノーの最新モデル、メガーヌに乗ったのだが、そのときのしなやかな足回りと同じ印象なのだ。ルノー・メガーヌといえば、フランス国内だけでなく、EUでもベストセラーカーとして知られているコンパクトカー。その高い完成度に、このティーダ18Gは近いといえる。
もし、いま、ヨーロッパのコンパクトカー、例えばプジョー206や307、フォルクスワーゲンゴルフ、BMWミニなどの購入を考えている人がいたら、一度、ティーダ18Gに試乗し、比較してみることをすすめたい。そうすれば、ティーダ18Gの実力の高さがわかるに違いない。とくにしなやかなサスペンションの動きはよかった。
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