日産 新型 セレナ[2013年12月末マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
3年連続販売台数No.1ミニバン「セレナ」がマイナーチェンジ
人気のミニバン「日産 セレナ」が、2013年12月末にマイナーチェンジを実施した。幅広い層から支持を集める3列ミニバンジャンルの中でも、3年連続で販売台数No.1を記録するセレナ。最大にして最強のライバル「トヨタ ヴォクシー/ノア」がフルモデルチェンジを実施する中、日産の打つ手とは。日本車の今を最もよく知る男、渡辺陽一郎がレポートする。
今やミニバンは日本車の代表格といえるだろう。背の高いボディによって空間効率を高め、5ナンバーサイズのボディでも3列のシートを備える。シートや荷室のアレンジも多彩。手先が器用な日本の開発者が手掛けたクルマだと実感させる。小さなボディに緻密な機能という組み合わせでは、背の高い軽自動車が勝るが、ミニバンのアイデアを転用したところも多い。海外で販売されるミニバンは少数にとどまるが、日本車の凄さが分かる。最近はSUVの人気が上昇傾向にあり、ミニバンジャンル全体では売れ行きが下降してきた。それでも全高が1680mmを超える背の高い車種は堅調。多人数乗車だけでなく、自転車を積むニーズも含め、実用指向のユーザーから高い支持を得ている。
そんな根強い人気を誇るミニバンの中でも、特に好調に売れている車種が、ミドルクラスの「日産 セレナ」だ。2011・2012・2013年と3年連続で、3列シートミニバンの販売ナンバーワンになった。
運転しやすいサイズ、広い室内、そして見栄え良し
日産 セレナは、直列4気筒の2リッター直噴ガソリンエンジンを搭載。エアロパーツを備えた「ハイウェイスター」シリーズやカスタムモデル「ライダー」シリーズの全幅は1735mmに広がって3ナンバー車となるが、標準ボディは5ナンバーサイズに収まる。室内の広さはミドルサイズのミニバンでは最大級。運転のしやすいサイズのボディで、大人6名が快適に乗車できる。
セレナはシートアレンジも多彩。2列目の中央部分を1列目までスライドさせると、収納ボックスとして活用できる。3列目シートを格納すれば広い荷室になり、自転車も積みやすい。3列目は低い位置で左右に跳ね上げるから、操作が簡単で、荷室のサイドウインドーを塞がないメリットもある。
そして全高が1865mmに達するボディは、外観のミニバンらしさも濃厚だ。居住性や積載性といったミニバンの機能が優れ、なおかつ外観も立派に見えるため、好調な売れ行きを達成できた。
現行型の日産 セレナは2010年11月に発売され、2013年12月にマイナーチェンジを受けた。ここでは変更後の試乗記をお伝えしたい。
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