まるで欧州車!? 2017年日本発売期待の日産 新型マーチが大変身した理由

まるで欧州車!? 2017年日本発売期待の日産 新型マーチが大変身した理由
日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016 画像ギャラリーはこちら

想定外!日本ユーザーからの絶賛の声

日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016

「まさか、ここまでユーザーからの“引き”がいいとは、思っていませんでした」。

10月上旬の仏パリショーで世界初公開された、日産のコンパクトカー新型マイクラ。Vモーションのフロントマスクと、ブーメランランプ・シグニチャーのリアビューは、まさに次世代日産デザインの集大成だ。日本国内向けにはマーチとしての販売が期待されるなか、日本ユーザーの関心度が極めて高いという声が、日系自動車メディア各社から聞こえてきているのだ。

この「まさか」という言葉に秘められた意味には、以下のような項目が考えられる。

1.実質的なライバルであるホンダ フィット、トヨタ ヴィッツ、マツダ デミオに対して、日本市場では最近、マーチの存在感が極めて希薄。

2.日産にとって、日本のコンパクトカーは今後、マ―チを切り捨てて、ノートに集約されてしまうのかもしれない。

販売台数を見ても、マーチが年間販売台数でモデル別トップ30にランクインしたのは、3年前の2013年まで。現行の第四世代は2010年発売だが、モデルライフ中盤以降の販売の落ち込みが大きいのは確かだ。

2013年以降にマーチが日本で売れなくなった理由

日産 ノート
日産 デイズ日産 デイズルークス

こうした2013年以降にマーチが日本で売れなくなった最大の理由は、日産のモデルラインアップのなかで、マーチの商品としての立ち位置が狭まったからだ。

特に、マーチより価格の低い、デイズとデイズルークスの影響が大きい。

日産は2011年、三菱自動車と軽自動車を共同で企画・開発するNMKV社を設立し、軽自動車市場への本格参入を始めた。2013年に量産開始後、デイズ、デイズルークスの販売は確実に伸び続け、いまや日産の国内販売のなかで軽自動車が最も大きな割合を占めるに至った。軽自動車の見た目と走りのクオリティが急激に上がるなか、少し価格の高く、軽自動車のような税制優遇が少ないマーチが商品として見劣りし始めた。

さらに、マーチよりも少し価格が高いノートは、日産自動車九州で、調達コストの低減と商品としてのクオリティアップの両立を目指し、商品企画から生産までを一括した大幅な改善が行われた。

日産 マーチ(現行モデル)

結果的に、マーチは、デイズ、デイズルークスとノートとの間で、日本市場では「中途半端な存在」になってしまったのだ。

また、マーチにハイブリッド車がないのも、販売現場として辛い。トヨタはアクアがあり、ホンダはフィットハイブリッドが好調だ。

次世代マーチに影響を与えた、ダットサン構想

日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016

以上のような、日本市場におけるマーチ存続の難しさを、日産は百も承知していた。また、現行の日本仕様の生産は全数がタイであり、口の悪いメディアのなかには「生産拠点がタイだから、クオリティが低い」という声がある。

だが、東南アジアでも定常的に取材をしている筆者にとって、「生産がタイだから、商品クオリティが下がる」という意見には同意できない。これでは、タイ工場での品質管理が甘いと解釈されかねない。論点はそこではなく、「タイや新興国の顧客が満足するレベルの品質を追求すること」と、「目の肥えた日本ユーザーの満足度を上げること」を両立することが難しいという点だ。

日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016
日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016

こうしたマーチで露呈した課題を含めて、日産のグローバル市場でのコンパクトカー戦略を大きく見直したのが2012年。ダットサン・ブランドの復活である。

つまり、マーチ1モデルで日本や新興国、さらにマイクラと命名して欧州市場などをカバーすることを止める、ということだ。換言すれば、この時点で次期マーチ(マイクラ)の商品企画の方向性が確定していた。

ダットサンとしては、2014年からインドネシア、ロシア、インドなど新興国向けとしてGOとGOプラスを製造販売。筆者はインドネシアの日産工場で、両車の生産・販売状況を詳しく見学した。その際、マーチのこれまでの役割は終わる、と痛感していた。

気になるマーチ日本仕様

日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016

パリショーでの世界発表を受け、日本の自動車メディアは「2017年夏発売」と書き立てる。そして、各メディアとも「気になるのは生産拠点だ」とも書くが、具体的なことには触れていない。

仮に、日本生産となる場合、最も可能性が高いのは神奈川県の追浜工場。近年、稼働率が低下するなか、工場全体としてのコスト低減を狙うためには、量産効果が見込めるマーチの存在はありがたいはずだ。

または、日産自動車九州で次期ノートとの部品共用性を高めることで生産することも考えられる。

日産 5代目 新型マーチ(Micra gen5)パリモーターショー2016

そして、もうひとつが現行車と同じタイ生産だ。日産としては、タイとインドネシアで、それぞれ自国市場向け、および東南アジア各国向けの輸出を行っているが、新型マーチ導入を機に物流体制の変更などを含めた戦略転換を行なうかもしれない。

どこで生産するにしても、新型マーチの日本発売の可能性は極めて高い。

なぜなら、パリショーの後、日系自動車メディア全体が「まさか」と驚くほど、日本のユーザーが次世代マーチの登場を喜んでいるからだ。特に、新設計の0.9リッター3気筒ターボへの期待が高い。こうした声を日産本社が軽視するはずがない。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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