日産 フェアレディZ 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:原田淳
初代デビューから33年。「Z」復活の灯が、日産復活の道を照らす。
フェアレディZが登場したのは1969年10月だった。それまでのオープン2シーターに代わるニューモデルは、リアにハッチゲートをもつ2シータークーペとして登場したのだ。ロングノーズ、ショートデッキのプロポーションは、それ以来、78年8月の2代目(S130)、83年9月の3代目(Z31)、89 年7月の4代目(Z32)まで踏襲された。この間に、国内22万台、海外で122万台を販売、世界でもっとも多く販売されたスポーツカーとして認知された。しかし2000年8月で日産は販売不振と経営難から生産中止を決定。それを知ったゴーン新社長が直ちに、開発再開を命じたのだった。そして5代目のZ が誕生した。日産復活のシンボルとして、Zは登場したのだ。
21世紀のメカニズムを身にまとい、継承され、進化した「Z」のDNA。
ニューZのボディサイズは全長4310mm、全幅1815mm、全高1315mm、ホイールベースは2650mm。これを4代目と比較すると全長は同じ、全幅は新型が25mm広く、全高は70mm高い。しかしホイールベースは新型が200mmも長いのだ。そのスタイリングは、初代と4代目から受け継いでいる。ロングノーズ・ショートデッキスタイルと、三角形のキャビンフォルムは初代から。アーチを描いたルーフ形状やハッチバック開口部につながるライン、C ピラー形状は4代目をイメージさせる。
インテリアも丸型ツインメーター、3連センターメーターは初代から。T字形のダッシュボードは4代目からのものとなっている。
しかし、サスペンションをはじめとする走りのメカニズムは5代目独自の世界だ。フロントミッドシップエンジン、高剛性ボディを基本に、マルチリンクサス、V6、3.5Lエンジン、5速ATと6速MTなどなど、すべてが日産の走りの最新テクノロジーなのだ。
スポーツカーを操る楽しさ。ややかためな足回りはドライバーをその気にさせる。
新型Zはベースになる「Z」、走りの「S」、ラグジュアリーな「T」、ラグジュアリーで走りも追求した「ST」のグレードがある。SとSTは6速MTが標準仕様。3.5L280psエンジンは共通だ。低めのドライビングポジションと高めサイドウィンドラインが包まれ感を強調する。6速MTは前後左右方向のストロークも短く、やや反発力の強いクラッチペダルを踏みながらの走りは、スポーツカーを操っている気にさせてくれる。
V6エンジンはレッドゾーン手前の6000回転までスムーズに上昇する。トルクは1500回転から太く、4000~5000回転でピークになる。このあたりを上手に使うと、ニューZはスポーツカーとしての本領を発揮する。
コーナリングはハンドルを切りこんだときの初期の動きがかなり鋭い。手首の動きでノーズが向きを変える、そんな感じだ。
乗り心地はややかため。もう少ししなやかさがあれば、パーフェクトといえる。
憧れだったスポーツカーとしては、思い切った価格の設定。
ニューZは日産復活のシンボルとして登場したスポーツカー。日本でも発表以来、5000台以上の受注があった。その多くが40代以上というから、まさに大人のためのスポーツカーというコンセプトどおりの売れ方をしている。車両本体価格は300万円から360万円。これは個人的には安すぎる、と思う。その理由だが、Zは憧れのスポーツカー。あまりにも手頃な価格では、夢がない。もう少し、夢を持たせてほしかった。350~420万円でもいいと思う。
クルマの出来栄えだが、STのほかにTの5ATやニスモバージョンにも試乗してみた。そこで思ったのは、まだサスペンションのしなやかさがちょっと不足している、ということ。とはいえ、スポーツカーとしての要素は充分だし、楽しめるクルマであることは間違いない。
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