アウディ アーバン フューチャー アワード2010、ヴェネチアでJ.マイアーH.が受賞
アウディAGが建築家とともに2030年におけるモビリティと都市の未来像を考えるコンペティション、アウディ アーバン フューチャー アワード 2010の授賞式が行われ、第1回受賞者として、J.マイアーH.アーキテクツが選ばれた。参加した5つの国際的建築設計事務所のビジョンは、興味深いエキシビションとして1カ月間一般に公開される。
アウディAG取締役会会長ルパート シュタートラーは、「建築家たちは魅力的なコンセプトとモデル、デザインを、未来の都市計画というテーマに沿って作り出しました」と、アウディ アーバン フューチャー アワード 2010の授賞式の席で述べた。
今回の賞では、巨大都市の未来の生活が現在と比較してどのくらい異なるのか、それぞれ特徴をもったビジョンが表現されている。大都市は徐々に境界線のはっきりしない移動の要素で構成されるでしょう。それは都市計画に携わる人だけに関係しているというわけでなく、未来における個別の移動手段の状況において、グローバルに活動しているアウディなどの自動車メーカーにも関連する。
アウディ アーバン フューチャー アワード 2010の授賞式とエキシビションの開会式は、ヴェネチアのスクオラ グランデ デッラ ミゼリコルディアにて8月25日に行われた。国際的かつ各分野の専門家で構成される審査グループは、ドイツの建築賞としては最も高額な10万ユーロを副賞とする賞の受賞者として、J.マイアーH.アーキテクツを選んた。
「ユルゲン マイアーH.と彼の事務所は、私たちが生活している普段の都市風景から決別し、まったく新しい都市の美学への出発点を作りました。現実と仮想の世界を合わせてオーバーラップさせることで、私たちの都市空間に対する認識がこれまで想像もつかなかったような新しい形態へと導かれていくだけでなく、都市そのものも根本的に変わるのです」と、今回のエキシビションのキュレーターでもあるクリスティアン ゲルトナーは述べた。
世界中からこの授賞式に参加した約200人のゲストは、ヴェネチアという歴史的な街で、このコンペティションに参加した5社の建築設計事務所の作品に見入ることが出来ました。数々の写真や映像、モデルとともに、ラウムラボールベルリンによる素晴らしいエキシビションデザインによって、来場者は様々な未来都市の世界へと引き込まれた。
作品の展示と授賞式は、アウディ アーバン フューチャー アワード 2010のハイライトであり、期間中アウディと建築家たちが密接に取り組んできた成果の表れ。建築家たちのインゴルシュタットでのミーティングおよびアウディシンクタンクのコンペティション参加建築設計事務所への訪問により、参加者は常に電化やネットワーク、新しい空間の定義、そしてこれらの要素がどのように未来の都市に影響を与えることが出来るのかといったテーマについて刺激に満ちた議論をした。
5月に行われたロンドンの王立英国建築家協会における会議では、参加者が2030年の都市とモビリティの初期コンセプトをプレゼンテーションした。そのときに行われた質疑応答や討論を通して、見識ある参加者は、このアワードの発起人であるアウディAGの素晴らしい企業としての勇気を認めている。
「アウディ アーバン フューチャー アワードにより、私たちは自動車メーカーとして、初めてこれほど複雑な未来のテーマに取り組むことになりました」と、会長シュタートラーは強調。
「我々はこの賞で持続可能な未来への社会的責任を果たし、同時に新しく得た視点は社内で役立てられていきます。この選考過程で得られた知識は、社内で蓄積され活用されていきます。これは、技術的なことだけに限らず、社会的、美的センスも含まれます。」
今年のこのアワードにおける経験と、その社会的そして社内における影響が表れてきたとき、今回参加した建築家たちの能力は、アウディ社内の知識とうまく組み合わされたということが言える。
「私たちの技術的知識はこのような文化的ノウハウによってさらに豊かになり、それがアウディの全部門にとってプラスになるのです」と、会長シュタートラーは述べた。
アウディは幅広い分野のナレッジマネージメントベースを、常に広げていくとしている。
アウディ アーバン フューチャー アワード 2010に参加建築設計事務所が提示した未来のビジョンは、スクオラ グランデ デッラ ミゼリコルディア(ヴェネチア)にて2010年9月26日まで展示される。建築設計事務所は、アリソン ブルックス アーキテクツ(ロンドン)、BIG(コペンハーゲン)、クラウド9(バルセロナ)、J.マイアーH.アーキテクツ(ベルリン)、スタンダードアーキテクチャ(北京)の5社。
審査グループは、サスキア サッセン(ロンドン スクールオブエコノミクス、ロンドン:コロンビア大学、ニューヨーク)を団長に、ヴォルフガング エッガー(アウディAG、インゴルシュタット)、クリスティアン ゲルトナー(スタイルパークAG、フランクフルト)、アンドレス レピック(ニューヨーク近代美術館)、マ ジュン(同済大学、上海)、ラウル メロトラ(RMAアーキテクツ ムンバイ/マサチューセッツ工科大学、ケンブリッジ)、フェルナンド デ メロ フランコ(MMBBアルキテクトス、サンパウロ)、シュテファン ジーラフ(アウディAG、インゴルシュタット)、ルパート シュタートラー(アウディAG、インゴルシュタット)となっている。Dr. ヴェルネル ヴィデュケル(アウディAG、インゴルシュタット)は審査グループのミーティングに特別ゲストとして参加した。
アウディAGは、パートナーであるフランクフルトのスタイルパークAGからコンペティションの構想とテーマの視点の構築における協力を得た。
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