クラウンは終わらない! 地道な改善にも投資を続ける老舗ブランドの底力

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2020年11月、次期型の存続が危ぶまれると一部新聞等で報じられたトヨタ クラウンだが、11月2日には一部改良を実施し、先進運転支援技術が最新の機能にアップデートされている。「最先端の技術が真っ先に載るトヨタ車はクラウンから」という伝統は脈々と続いているのだ。その一方で、ニュースリリースにも載らない操作パネルの改変も図られた。地道な改善ぶりから見るクラウンの今をご紹介する。

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  1. 先進的なダブルディスプレイから大型化された1画面へ
  2. 物理ボタンの復活は代替ユーザーからも好意的な反応
  3. 日本のための高級車クラウンだからこその刷新

先進的なダブルディスプレイから大型化された1画面へ

現行型クラウンが2018年6月にデビューして以来、初のマイナーチェンジとなる今回の一部改良では、上下2画面のセンターディスプレイが廃止され、1画面の12.3インチTFTタッチワイドディスプレイ採用のT-Connect SDナビゲーションシステムへ変更された。

ダブルディスプレイを採用した従来型では、上側の8インチディスプレイを遠方に配置し、手の届く位置に配置された下側の7インチディスプレイにエアコンやナビの操作系を集約。良好な視認性とシンプルで洗練された操作性を両立し、インストルメントパネル上面を低く抑え、圧迫感の少ない開放的な空間を実現していた。

新しい操作性が受け入れられなかった

さまざまな操作系をセンター下側(と言っても高め)に集約すれば、ドライバーはアチコチに手を伸ばす必要がなく、慣れてしまえば少ない動作でさまざまな操作が可能だ。ところが、この“慣れ”というところに大きな誤算があったことは否めない。代替需要が多いクラウンは、従来通りの物理ボタンによる操作性に慣れ親しんだユーザーも多く、「ナビ操作時にはナビ用の画面」「エアコン操作時にはエアコン用画面」といった具合に、場面によっては画面を切り替えるという手間が一つ増えたことになってしまうのだ。

クラウンを長年販売する首都圏のとあるトヨタ店ディーラーで営業スタッフに聞いたところ、やはり複数のユーザーから使いにくさを指摘されたという。

物理ボタンの復活は代替ユーザーからも好意的な反応

そんなユーザーや現場の声を受け、今回のマイナーチェンジではインテリアを大幅に刷新。先述したように上下2画面のセンターディスプレイから12.3インチの1画面式となり、エアコンの操作パネルは物理ボタン式に変更された。

シンプルな操作性へ原点回帰

「ナビの操作はメインモニターで行い、エアコンは物理スイッチ」といったようにそれぞれを独立させたことで、ベテランドライバーが慣れ親しんだシンプルなものに原点回帰。物理スイッチのエアコンは目で見なくても手触りで操作できるため、走行中にエアコンをよく操作するドライバーにとっては安全性も向上した。今回の変更を好意的に捉えているユーザーも多い。前出の販売スタッフによるとさっそく反響があったという。長年クラウンを乗り継ぐユーザーは情報に敏感なようだ。

日本のための高級車クラウンだからこその刷新

「上下2画面のセンターディスプレイを廃止して1画面に変更」と、一言で言ってしまえば簡単だ。しかし、一体成型されているインパネやダッシュボードの形状を変更するためには、成型用の金型から変更する必要があり一筋縄では行かない大手術となる。

2018年のモデルチェンジ時には年間5万台、月平均で約4000台の販売実績を誇ったクラウン。だが直近の2020年度上期(4月~9月)では、月販平均1400台規模に落ち込んでいる。とはいえクラウンは、1955年の初代以来65年・15代に渡る伝統を持ち、トヨタにとって今も重要な高級車ブランドであることに変わりはない。ユーザーの声に耳を傾け、モデルチェンジを待たずに素早く改善を図る姿勢こそがその証左だろう。

トヨタ/クラウン
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新車価格:
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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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