2030年までに死亡事故ゼロへ! スバルが普及を進めてきたアイサイトの歴史を振り返る

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スバルは他社に先駆け、先進運転支援システム「アイサイト」の普及を進めてきた。その結果、アイサイトver.3搭載車の追突事故発生率が 0.06%という調査結果が明らかとなり、着実に衝突被害の軽減や防止に役立っていることが分かる。そんなスバルの運転支援システムはどのような歴史を辿ってきたのか、ライバル他社に先行して市販されてきた車種と共に振り返ってみよう。

目次[開く][閉じる]
  1. アイサイトver.3搭載車の追突事故発生率が0.06%にまで低下
  2. 実は20年以上前からあった!? スバル アイサイトの歴史
  3. 新型レヴォーグに新世代アイサイト&アイサイトXが登場

アイサイトver.3搭載車の追突事故発生率が0.06%にまで低下

2020年10月9日にスバルが発表したデータによると、2014年から2018年に日本国内で販売したスバル車の人身事故件数について調査した結果、運転支援システム アイサイトver.3搭載車の追突事故発生率が 0.06%であることが分った。

なお、本調査は株式会社SUBARUが、公益財団法人 交通事故総合分析センターのデータを基に独自算出したもので、アイサイトVer.3搭載車モデル(456944台)の人身事故件数をその発生状況毎に分類したものとなっている。

アイサイトVer.2非搭載車

期間:2010年~2014年/販売台数:48085台

事故総件数:741件(内訳:対歩行者67件/対車両、その他674件/追突269件)

追突事故発生率:0.56%

アイサイトVer.2搭載車

期間:2010年~2014年/販売台数:246139台

事故総件数:1493件(内訳:対歩行者176件/対車両、その他1317件/追突223件)

追突事故発生率:0.09%

アイサイトVer.3搭載車

期間:2014年~2018年/販売台数:456944台

事故総件数:2013件(内訳:対歩行者209件/対車両、その他1804件/追突259件)

追突事故発生率:0.06%

実は20年以上前からあった!? スバル アイサイトの歴史

スバル アイサイトが一躍有名になったのは、「ぶつからないクルマ?」というキャッチコピーと共にデビューした5代目レガシィからだが、実はこの自動停止まで行うアイサイトはVer.2。つまり、アイサイトにはVer.1が存在し、さらにさかのぼれば、ADA(アクティブドライビングアシスト)という運転支援技術も存在するのだ。

ぶつからないクルマの祖先「レガシィランカスター ADA」

1999年にデビューした3代目レガシィランカスター(現在のレガシィアウトバック)に搭載されたADA(アクティブドライビングアシスト)は、ステレオカメラによって前方の景色を立体的に認識し、カーナビと連動することで警告や運転支援を行うシステムで、ベースモデルとの差は約50万円。現在の緊急自動ブレーキ機能のように、急制動や停止まで行うことはできないが、車線逸脱警報や車間距離警報、車間距離制御クルーズコントロール、さらに、カーブ警報/シフトダウン制御などが提供される。

このADAは、2001年に第2世代、2003年にはミリ波レーダーを加えた第3世代に進化。悪天候でも安定して作動するようになったほか、ブレーキによる車間距離制御やふらつき警報、前車発進モニターなど機能の充実が図られた(第1世代と第2世代にはブレーキによる制御は無い)。

ADAから“アイサイト”に改名

2008年5月に登場した4代目レガシィから、ついにアイサイトという名前に変更される。高額になりがちなミリ波レーダーをやめ、ステレオカメラのみというシンプルな構造としたことで価格を抑えることに成功。さらに新開発の画像処理エンジンによって、歩行者や自転車の認識も可能となったほか、価格もプラス20万円(消費税抜き)に抑えられた。

当時は国の規制によって完全停止までは行われなかったものの、自動ブレーキによる被害軽減やAT 誤発進抑制制御、全車速追従機能付きクルーズコントロールなど、現在のシステムに近い充実した内容となっていた。

ついに“ぶつからないクルマ?”アイサイトVer.2が登場

2010年、ついに“ぶつからないクルマ?”アイサイトVer.2を搭載した5代目レガシィがデビューする。前年の2009年に、ボルボ XC60が国内で完全自動停止機能の認証を獲得し、従来の規制を撤廃。アイサイトVer.2は、完全停止を行う衝突被害軽減ブレーキの日本車初採用例となった。価格はプラス10万円(消費税別)という低価格を実現し、キャッチーなフレーズとテレビCMによって大ブレイク。当時の販売現場を知るスバルディーラー店長によると、「ぶつからないクルマください!」と言ってレガシィを買い求めるユーザーまでいたという。

国の規制を突破したボルボと、低価格で完全停止までサポートするアイサイトVer.2を市販化したスバルによって、日本での自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)の認知度は急上昇。他メーカーも続々と自動ブレーキの開発を行ったことで急速に進化し、現在のハンドル操作までアシストする運転支援技術に繋がる。

新型レヴォーグに新世代アイサイト&アイサイトXが登場

2020年10月15日に正式発表された新型レヴォーグには、ステレオカメラの広角化によって右左折時や見通しの悪い交差点、自転車の急な飛び出しまで対応する新世代アイサイト。さらに、3D高精度地図データとGPSや準天頂衛星「みちびき」などの情報を活用する高度運転支援システム「アイサイトX」が搭載される。

スバルは2030年までに、スバル車乗車中の死亡事故、およびスバル車との衝突による歩行者・自転車等の死亡事故ゼロを目指すとしている。今後はインプレッサやフォレスターといった他のスバル車にも、新世代アイサイトやアイサイトXが搭載されるのは間違いないだろう。

スバル/レヴォーグ
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新車価格:
310.2万円576.4万円
中古価格:
66万円686.4万円
スバル/レガシィアウトバック
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新車価格:
425.7万円451万円
中古価格:
34万円493.2万円
スバル/レガシィツーリングワゴン
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新車価格:
264万円381.7万円
中古価格:
24.8万円495万円

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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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