GM、2010年型キャデラックSRXを動画で公開

GMが2009年夏に発売を予定している、2010年型キャデラック SRX。いまGMでは、動画で2010年型キャデラックSRXの動画を掲載している。

http://gmtv.feedroom.com/?fr_chl=762575eed403cdbc2387676a4dd4ee5f09bbd5e7&rf=bm(PC用)

【2010年 キャデラック SRX】

■完璧なバランス

運転時、この全輪駆動システムは常に作動していて、カーブを切る際のオーバーステアにもアンダーステアにも対処できるようにトルクを常に分配し、ドライバーが車の安定を常に保てるようにプログラムされている。

搭載されている電子制御装置は、ABSやESC(横滑り防止装置)等を含む車体内の20以上のセンサーから毎秒200回、データを受信する。こうして処理されるデータの内容は、車の速度、タイヤの回転速度、横加速度、スロットルの設定、エンジントルク、偏揺れ率と、ステアリング角など。これらのデータは、ドライバーのハンドル操作とスロットル開度に応じて、トルクの分配を常時調整する為に使われる。

例えば、乾いた地面でスロットル全開の場合、トルクの50%は後輪に届くので、タイヤがスピンすることなく加速できる。滑りやすい地面では、例えば車の一角が氷上にある場合には、最大100%のトルクがタイヤに届きトラクションがかかる。ハイウェイ走行時には、後輪へのトルク伝達を5~10%に下げ、駆動系の抵抗を減らして燃料を節約する。その他の運転環境の大半では、トルクの後輪軸への移動は20~50%の間で変化する。

ローグリップ路面でも、新型SRXの全輪駆動システムは、確かなハンドリングと確実なトルク配分を行いつつ、車好きなドライバーに嬉しいパフォーマンスを提供する。駆動トルクのバランスを的確に保つことで、ESCスロットル値とブレーキ介入を減らし、よりスムーズで予測可能な走行を実現。

しかし、恐らくこのシステムの最大の特徴は、新しく加わった後輪の電子制御リミテッド・スリップ・デフ(eLSD)であろう。このeLSD装置は後輪間で最高85%のトルクを、よりグリップ力のある方の車輪に移動させる事ができる。急な曲がり角や、車線変更などの素早い操縦においては、車輪間でトルクの配分を調節することで、後輪が前輪にしっかりとついていきやすくなっている。

2010年型SRXの全輪駆動システムは、全く新しいシャーシと、改良されたセルフレベリング機能付きリアサスペンションジオメトリを統合し、キャンバー剛性を50%向上させた。スプリング、ダンパー、ステアリングシステムは全て、快適な乗り心地とフィードバックの良さを与えるために調整されている。また、2010 年型SRXのタイヤはスピードレートの高いものを使用している。

■仕組みについて

SRX全輪駆動ハードウェアの構成要素となっているのは、フロントファイナルドライブにある、プロップシャフトを通してエンジントルクをリヤドライブモジュール(RDM)に伝達するパワーテイクオフユニット(PTU)である。このリヤモジュールにはトルク移動装置(TTD)と、オプション仕様のeLSDが含まれている。どちらも、ハルデックス社製の湿式マルチプレートクラッチユニットである。

ギアを入れると、TTD(トルク移転装置)がすぐに作動し、アクセルを踏む前から、RDMクラッチが機能して、トルクを配分する準備ができる。この機能は、車輪のスリップや駆動系の回転を探知してからでないと後輪駆動がスタートしない既存の技術よりもはるかに優れている。この優れた機能は、瞬時に最大限のトラクションを生み、もたつきのないスムーズで力強い発進を可能にする。運転中は、TTD(トルク移転装置)の中のバルブによって車軸間のトルク配分が調節され、湿式クラッチプレートの油圧を増やしたり減らしたりする事で、後輪の駆動を制御する。車輪のスリップの度合いに応じて、トルクの伝達量が決定される。RDMに並んで取り付けられているeSLD(電子制御リミテッド・スリップ・デフ)は、TTD(トルク移転装置)と同じ原理で働く。電子制御装置は、エンジン、トランスミッション、ABS/ESC制御モジュールと連携して機能する。

2010年型SRXの全輪駆動システムは、工場出荷時において、RDMを設置する為の特定のリアサブフレーム、改良を施したリアサスペンションジオメトリ、ドライブシャフト用の新型ホイールハブ取り付けを要する。3点セットのプロップシャフトは、等速ジョイント付きの2つのベアリングを通ってスムーズな走りを生む。全輪駆動システムを搭載した新型SRXのホイールベースと後輪距は、FWDモデルと同じで変わっていない。

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