日産 新型キャラバンのディーゼルモデルは、三菱製の新型エンジン搭載で走行性能やクリーン性能が向上!

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2021年にガソリンエンジン車が大幅なマイナーチェンジを行った日産 キャラバン。2022年にはディーゼル車も三菱製の新型エンジンを搭載するなどマイナーチェンジを行った。今回はその内容を解説する。

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  1. ガソリンモデルに続き、ディーゼルモデルもマイナーチェンジ
  2. 三菱製の新型ディーゼルエンジン搭載でクリーン性能や燃費性能が向上
  3. 動力性能の向上はもちろん、静粛性もアップ

ガソリンモデルに続き、ディーゼルモデルもマイナーチェンジ

街中で頻繁に見かけるワンボックスボディのバンは、物流を支える大切な存在だ。現行型の日産 キャラバンは2012年に発売され、その後も改良を重ねてきた。

2021年にはガソリンエンジン車が大幅なマイナーチェンジを行い、フロントマスクをメリハリの利いたデザインに変更した。ATは従来の5速から7速に改善され、エンジンパワーをさらに有効活用できる。発進時には1速が力強く、高速道路ではギヤ比の高い7速を使うことでエンジン回転数を抑える。動力性能と燃費を向上させた。

シートも改善され、長距離移動時の疲労を抑えるスパイナルサポート機能付きを全車に標準装着した。シート生地には抗菌加工も施している。

衝突被害軽減ブレーキは、従来はセンサーとしてミリ波レーダーを使ったが、改良後はカメラも併用して歩行者検知も可能になった。

そして2022年にはキャラバンのクリーンディーゼルターボ搭載車も、同様のマイナーチェンジを行い、改良後のモデルが4月下旬から販売される。

三菱製の新型ディーゼルエンジン搭載でクリーン性能や燃費性能が向上

ディーゼルエンジンのマイナーチェンジに伴う変化度は、ガソリンエンジン車よりも大きい。エンジン本体を業務提携を結ぶ三菱製に変更したからだ。開発者は「本当はディーゼルもガソリンと同時にマイナーチェンジしたかったが、エンジンも刷新したから時期が遅れた」という。

新たに搭載したエンジンは、4N16型の直列4気筒2.4Lクリーンディーゼルターボだ。三菱 デリカD:5が搭載する2.2Lの拡大版と考えれば良い。シリンダーの内径は86mmだからデリカD:5と同じで、行程を105mmに拡大した。それにより、排気量が2.4Lに拡大され運転しやすくなっている。

新型エンジンを採用した目的は、クリーン性能の向上だ。平成30年排出ガス規制に適応させ、燃費性能も12%向上させている。

ディーゼルのWLTCモード燃費は、2WDのプレミアムGXなどが11.3km/Lとされる。ディーゼルの軽油価格は、レギュラーガソリンに比べて1L当たり約20円安いから、燃料代はセレナのノーマルエンジン(マイルドタイプのSハイブリッド)搭載車と同程度だ。

クリーン性能を向上させるメカニズムは充実している。ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化するために、従来のディーゼルパティキュレートフィルター(粒子状物質の処理装置)に尿素SCRも加えた。尿素タンクは11.4Lで、尿素は約1000kmを走行すると1Lを消費するため、1万1000kmが交換の目安になる。

エンジン以外では、2021年に実施されたガソリンエンジンと同様の改良が行われた。ATは7速になり、シートや安全装備も進化している。そこで新しいディーゼルエンジンを搭載するキャラバンプレミアムGXを試乗した。

動力性能の向上はもちろん、静粛性もアップ

改良前のクリーンディーゼルターボと乗り比べると、新型は実用回転域の駆動力を高めた。ディーゼルらしく2000〜3500回転付近が力強く、特に2000回転付近の余裕が増したので、街中を走る時には大きな変化を体感できる。

ギヤ比の割り方が細かな7速ATの効果も大きく、走行状態に応じて最適な回転数を保てる。高速道路への進入を想定したフル加速を試すと、7速ATは4000回転でシフトアップした。その後に一度3000回転まで下がり、再び4000回転に上昇する。効率の優れた回転域を使いながら加速できるから、重い荷物を積んでいる時は特に効果的だ。

エンジンノイズも抑えられ、ディーゼル特有の粗い音質を抑えた。動力性能の向上によってアクセルペダルの踏み方も穏やかになったから、エンジンの負荷が減り、一層静かに感じられる。

ここまで、新型キャラバン ディーゼルの試乗・解説をお届けしたが、次回は気になるキャラバンのライバル「トヨタ ハイエース」との比較解説をお届けする。詳細は次回までお楽しみに!

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:和田 清志]

日産/キャラバン
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新車価格:
258.1万円685.5万円
中古価格:
25万円790万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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