スバリストが注目! 2021年9月2日、新型登場直前、スバルのクロスオーバーワゴン「レガシィ アウトバック」四半世紀の歴史を振り返る

  • 筆者: 小鮒 康一
  • カメラマン:SUBARU・MOTA編集部
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日本にツーリングワゴンという文化を根付かせた立役者である「スバル レガシィツーリングワゴン」。現在はメイン市場を北米に移し、日本国内にはそのレガシィツーリングワゴンの意思を受け継いだ「レヴォーグ」がその座を守っている。その一方で、レガシィツーリングワゴンをベースに車高を上げ走破性を高めた「アウトバック」は、レヴォーグにはない魅力を持ったモデルとして、日本国内でも販売が続けられていた。

現在は6代目レガシィをベースとしたアウトバックも終売し、2021年9月2日(木)にフルモデルチェンジすることがアナウンスされている。ここで新型登場前に改めて歴代のアウトバック&ランカスター、グランドワゴンを振り返ってみよう。

目次[開く][閉じる]
  1. 国内では当初「レガシィグランドワゴン」を名乗っていたスバル アウトバック[1995年~1998年]
  2. アイサイトの歴史はこのモデルから始まった! 2代目「ランカスター」[1998年~2003年]
  3. 日本独自名称から世界統一とされた最初のモデル、初代「レガシィ アウトバック」[2003年~2009年]
  4. 北米市場を見据えボディサイズが大型化! アイサイトも一気に普及した2代目「レガシィ アウトバック」[2009年~2014年]
  5. スバルのフラッグシップとしての役割も果たすようになった3代目「レガシィ アウトバック」[2014年~2021年]

国内では当初「レガシィグランドワゴン」を名乗っていたスバル アウトバック[1995年~1998年]

日本でアウトバックの名前が使用されたのは4代目レガシィの時代であるが、それ以前にもツーリングワゴンをベースとし、車高を上げたモデルが存在していた。それが1995年8月に2代目レガシィに設定された「レガシィ グランドワゴン」である。

ベースとなったツーリングワゴンにはさまざまなタイプのエンジンが搭載されていたが、グランドワゴンには余裕の排気量を持った水平対向4気筒2.5リッターのEJ25型エンジンが採用され、全車フルタイム4WDと組み和されていた。

外観はツーリングワゴンよりも200ミリ上げられた車高と、205/70R15という大径のオールシーズンタイヤ、そしてフォグランプが埋め込まれたバンパーなどがSUV感を高めており、現在のクロスオーバーSUV的なキャラクターとなっていた。

ちなみにこのキャラクターは北米市場でSUVニーズが高まってきたことを受けて生まれたものであり、北米ではすでに1994年からアウトバックの名前で販売がスタートしていた。

余談ではあるが、北米市場ではワゴンボディのほか、セダンをベースとしたアウトバックも存在しており、4代目レガシィのモデル途中までワゴンと並行して販売が続けられてきたのである。

1997年8月には車名をグランドワゴンからランカスターに改め、翌98年6月には3代目レガシィをベースとしたモデルへフルモデルチェンジを果たす。

アイサイトの歴史はこのモデルから始まった! 2代目「ランカスター」[1998年~2003年]

先代モデルはモデル途中で追加されたということもあり、全高が1555ミリとギリギリ立体駐車場に入らないサイズとなってしまっていたが、2代目モデルはツーリングワゴンと並行して開発が進められたことで、先代と同じ最低地上高200ミリを確保しながらも全高が1550ミリへ抑えられていた。

エンジンは先代と同じく水平対向4気筒2.5リッターエンジンが採用されていたが、2000年5月の一部改良のタイミングで水平対向6気筒3リッターエンジンを搭載した「ランカスター6」を追加。これはレガシィ史上初の6気筒&3リッターエンジン搭載車であった(のちにツーリングワゴンとB4にも搭載)。

SUBARUアイサイトの前哨戦となるADAを初搭載

また、1999年9月には2つのカメラによるステレオ画像認識装置を用いたドライバー支援システムである「ADA(Active Driving Assist)」を備えた「ランカスターADA」を設定。これはアダプティブクルーズコントロールのほか、車間距離が短くなった際や車線を逸脱しそうになったとき、カーブへの進入速度が高いときに警報や減速制御を行うもので、現在のアイサイトの元祖とも言える装備であった。

日本独自名称から世界統一とされた最初のモデル、初代「レガシィ アウトバック」[2003年~2009年]

海外と同じくアウトバックの名前を冠した初めてのモデルは、2003年10月に登場した4代目レガシィをベースとしたモデルだ。

この代では2.5リッターエンジンをSOHC化し、レギュラーガソリンに対応させる一方で、3リッターエンジンにはAVCS+ダイレクト可変バルブリフトを組み合わせ、高性能化を実現していた。

また、全車4WDがシンメトリカルAWDへと進化し、3リッターモデルには可変トルク配分式のVTD-AWDを採用。ミッションも3リッターモデルは5速ATへと多段化がなされ、より上質なクルマとなっている。

モデル末期の2008年5月には運転支援システム「アイサイト」を3リッターモデルに搭載し、現在に繋がる先進安全装備の第一歩を記したのだった。

北米市場を見据えボディサイズが大型化! アイサイトも一気に普及した2代目「レガシィ アウトバック」[2009年~2014年]

2009年5月に5代目モデルへとフルモデルチェンジを実施したレガシィシリーズは、先代に引き続きアウトバックも設定。世界初公開がニューヨークモーターショーであったことからも分かるように、より一段と北米市場を意識したモデルとなり、全幅も1820ミリと一気に大型化がなされている。

エンジンは先代から引き継いだ2.5リッターエンジンのほか、水平対向6気筒エンジンは3.6リッターへと排気量を拡大。その一方でレギュラーガソリン仕様になるなど、こちらも北米市場に主眼を置いた変更となっていた。なお、日本向けレガシィで6気筒エンジンが搭載されていたのはアウトバックのみとなっている。

そしてミッションには新たにリニアトロニックと名付けられたCVTが2.5リッターエンジンに組み合わされ、燃費性能が大きく向上(3.6リッターモデルは5速AT)し、ヒルホールド付電動パーキングブレーキなどを備えることでより上級車種へと移行した感もあった。

2010年5月のマイナーチェンジでは、先代の一部グレードに搭載されていたアイサイトがアイサイトVer.2へと進化を果たして登場。性能が向上した衝突被害軽減ブレーキや停止保持機能もプラスしたアダプティブクルーズコントロール、ペダルの踏み間違えによる急発進を抑制する誤発進抑制制御などがプラスされた。

2012年5月には2度目のマイナーチェンジを実施。2.5リッターエンジンEJ25型から新世代のFB25型へ置き換えられ(3.6リッターモデルは変わらず)、アイサイトもバージョンこそ変更されなかったが、性能が向上している。

スバルのフラッグシップとしての役割も果たすようになった3代目「レガシィ アウトバック」[2014年~2021年]

2014年10月には日本国内3代目となるレガシィアウトバックが登場。6代目レガシィがベースとなってはいるが、日本国内にはツーリングワゴンが導入されなかったため、セダンとアウトバックというラインナップとなっている。

先代まで設定されていた6気筒モデルは海外専売となり、日本仕様は2.5リッターエンジンのみのラインナップとなったが、スバルのフラッグシップモデルも兼任するということで、本革シート仕様を設定したほか、ダッシュボードのソフトパッド化や肉厚なアームレストを採用するなど、全体的な質感は大きく向上している。

また運転支援システムのアイサイトはVer.3へ進化。より高角かつ遠方まで捕捉し、カラー認識も実現したことで、先行車のブレーキランプ認識制御などの新機能も追加されていた。

2015年9月の改良ではレーダーシステムによる後側方の検知を可能とする「アドバンスドセイフティパッケージ」を標準装備。2016年9月と2017年9月にも年次改良を実施し、アイサイトの機能が強化されている。

2018年9月にはフォレスターでも人気を博した「X-BREAK」が登場。これはよりアクティブさをプラスした仕様で、内外装の加飾のほか、可動式クロスバーを内蔵した大型ブラックルーフレールを採用したモデルとなっていた。

北米では密かに!? 先行してフルモデルチェンジ済みだった新型アウトバックがいよいよ日本にも導入へ

そして2021年1月には日本での注文受付の終了がアナウンスされた3代目アウトバックだが、実はすでに北米では2019年夏から新型アウトバックが販売されており、日本へ導入される新型もこれがベースとなっていることは間違いないだろう。

ただ、先行公開された映像を見る限り、意匠は北米仕様のものではなく、オセアニア地域で販売されているものがベースとなっているようだ。詳しいスペックなどは2021年9月2日(木)に公開されるだろうから、楽しみに待ちたいところである。

[筆者:小鮒 康一/撮影:SUBARU・MOTA編集部]

スバル/レガシィアウトバック
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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

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